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作者
潔
凪
玲王
潔
玲王
潔
凪
玲王
テッテレーとカメラ片手にいきなり現れた、シアンの髪をたなびかせ、歩く度に綺麗な光沢が波打ち、それが目を引く煌々としたどこかのご令嬢めいた人が看板を掲げていた。ちなみにそのご令嬢さんも当然のようにデカい。 目の前で会話を続ける2人とその看板をただ呆然と眺め、ゆっくりとまず目の前の文字情報を処理していく。
潔
凪
玲王
潔
凪
玲王
待ってくれ。これが夢じゃなければあの、かの有名な! 白宝コンビが今、俺の目の前にいるってことでいいのか…?! 夢か???夢じゃない…頬引っ張ったけどちゃんと痛い… そうだ、こんな機会二度と無いかもしれない。
潔
慌てて何か好意の一言を付け足したが、焦ってろくな言葉が思い付かず一心にブルーロックが大好きだと伝える。2人にはさぞ熱心なファンのように映っただろう。 しかし、それには気付かないくらい焦っていたので、潔は羞恥を覚える余裕すらなかった。
玲王
凪
面倒くさがりな凪を小突いて促す女房玲王を生で見れた潔は心の中で、ほああこれが白宝…と合掌した。 そして凪の性格は十分に知っていた潔は、断られるかなと一瞬残念に思ったが、どうやら書いてもいいようで良い返事をもらえ、顔が嬉しさでほころぶ。 面倒くさがりで気ままな性格のため、サインを断ることも多々ある凪は、隣に玲王がいる場合は玲王が(凪限定の)女房気質を発揮させ代わりに凪の分も書いてあげるといったことがある。ので、凪のサイン(by玲王)という奇妙なものがレア物としてあったりする。
潔
いそいそとカバンからいつ推しがきても大丈夫なように備えてあった色紙とペンを取り出す。 まさか本当に活用するときがくるとは夢にも思って…いや妄想したことはあるが本当に起こるとは思ってもみなかった潔。
凪
潔
戦々恐々といった感じで紫のペンと黒のペンを渡す潔。 ペンを渡す際に指が掠ってひゃあああっとなるが声に出さないように飲み込む。 乙女かッ、とツッコミがきそうだが実は彼はガチ恋と分類される生き物でもあり、世にも奇妙な超ハイブリッド全推し全ガチ恋勢(加えてカプ厨腐男子でもある)だった。どういう推し方してるの?という疑問がわくがその話はまた後に。 いつも画面越しでしか妄想できなかったことが現実に直面しているという事実に脳がショート寸前。ボディータッチを夢見たこともあるが、実際会えるとそんな畏れ多いこと出来ないという気持ちが強かったとは後に出る感想である。これが推しとガチ恋の板挟み… そんな潔のオタクっぷりに気付いているのか否か玲王はアイドルらしい爽やかな笑みを浮かべサンキュと一言いうと、すらすらと色紙にペンを走らせる。 慣れた手付きに流石人気アイドルだーと眺めながらドキドキと完成を待つ。 推しが目の前にいる現実にもう適応してきてる潔だったりする。
玲王
潔
そう答えると玲王はさらさらーと書き記して書き終わるとほいと隣の凪に色紙が手渡される。 凪は書き慣れている感はあったが、玲王程にすらすらとは書かずにマイペースに書いていた。 ただじーっと見て待つしか出来ないが、何か話を振る勇気も出ず座して待つ。 一方その様子を観察し、コイツは凪推しなのか…?!と勘繰っていた男がいた。
玲王
といったように頭を残念な方向にフル回転させて、潔を見定めていた。何を隠そう、玲王は凪誠士郎過激派同担拒否であった。 だがプロのアイドルという仮面はそうやすやすとは剥がさない。潔と凪の視野が広がった瞬間、元々そこまで崩していなかったが表情を取り繕ってにこりとする。
潔
しかし、潔の視野の広さを侮っていたことにより玲王の取り繕いはバレた。 潔は玲王の予想よりも視野が広かった。そして、重度のブルロオタクであり白宝もバッチリ推していた潔は玲王の機微に敏感であった。
潔
潔
潔
ここで腐男子としての潔が目覚める。 白宝をカップリングとしても見ていた潔はうはうはと、でも心境をバレないようこっそりと2人を凝視した。 間違ってもどっちが下で上なんだろうとか下世話なことを考えているのを悟られてはいけない。 そんな事は露知らず、凪はサインを完成させた。
凪
潔
玲王
凪
玲王
潔
凪
潔
授業は無事遅れて軽く怒られてしまったが、なんとか出席はもらった。 潔はさっきまでの出来事が夢だったのではないかと思い、スマホに撮っておいた2人のサインを見て現実だと再認識するのを繰り返していた。
潔
ちょっと後悔もあったが幸せな邂逅であり、潔は今後もブルーロックス達に絡まれていくことを知らない。 そして、潔の特殊な趣味趣向に振り回されることをブルーロックス達もまたまだ知らない。
作者
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