七瀬 花
えっ?
お母さん
貴方、もう忘れたのね
お父さん
何がだよ
お父さん
うるせぇんだけど
お母さん
わたし、お見舞いの時あの服で行ったのよ
お父さん
だからなんだよ。
お母さん
あの時、貴方は綺麗だと、一生大事にすると言ってくれていたのに
お母さん
子供が双子でも、二人とも大事にすると言ってくれていたのに
お父さん
お前だって、交代する事に賛成してたじゃないか!
お母さん
ええ、そうよ。
お母さん
でも、今私は花を愛しているわ
お母さん
過去は変えられないけれど、今は変えられる!
ガシッ
七瀬 花
うっ
琥珀糖
今、花の胸ぐらを掴んでいる
お父さん
は、お前お母さんにも洗脳しやがったのかよ
七瀬 花
やめっ
七瀬 花
うぅ
菜乃
あ、
菜乃
パパー
お父さん
なんだい?
七瀬 花
ったすけっ
七瀬 花
あうっ
菜乃
これ、買っても良い?
お母さん
お父さん。
お父さん
んだよ
お母さん
離婚しましょう。
お父さん
は?
お母さん
娘に手を出す男など入りません。
お父さん
は、良いぞ?
お父さん
でもこの家は俺の家だ。
お母さん
わかっています。だから実家に帰るのです。
お父さん
でも、菜乃は俺の所にいるぞ?
お父さん
花だけ渡してやる
お母さん
それが良いです。
お母さん
だから…
お父さん
なんだって?
お母さん
だから手を離しなさい!!
お母さん
荷物をまとめて。行きましょう。花
七瀬 花
お母さんっ!
荷物まとめた
お母さん
さようなら。一生出会わない事を願うわ
七瀬 花
…
菜乃
私も、あんたらと会いたくないし大丈夫だよ〜
お父さん
そうだな
次の日
お母さん
ただいま
おばあちゃん
お帰り。事情は聞いてるわ
七瀬 花
おばあちゃん。
七瀬 花
お世話になります。
おばあちゃん
堅苦しい挨拶なんて要らない。
おばあちゃん
あんな男を娘に紹介したのも私だもの
おばあちゃん
ごめんなさい
七瀬 花
いえっ
七瀬 花
そんな
七瀬 花
そ、そういえば!
七瀬 花
おばあちゃん家ってこんなに遠かったんだね
お母さん
引越したのよ。
お母さん
ほら、おばあちゃん離婚したでしょ
七瀬 花
そうなの?
七瀬 花
知らなかった…
おばあちゃん
あんな男に身をつけられるなんて、家族だね
お母さん
そうね
お母さん
でも、雫君は良い男だったけど
お母さん
子供の頃から知ってるもの。
七瀬 花
そうだね。
その頃
菜乃
おはようー
金本 結菜
あ、おはよう花
菜乃
え?
菜乃
私菜乃だけど。
金本 結菜
え?
菜乃
私、ずっと思ってたの、なんで私のこと花って呼ぶのかなって
金本 結菜
え、だって名前プレートも花って
金本 結菜
菜乃だ…
菜乃
だから、雫も花って呼んでたのね!
金本 結菜
ごめん。
菜乃
良いよ別に
陽向 雫
おはよう。
菜乃
雫
陽向 雫
おはよう花。
菜乃
私の名前は菜乃だよ?
陽向 雫
は?
菜乃
私、ずっと菜乃って名前なのに雫花って呼んでるからびっくりしてたんだ。
陽向 雫
菜乃さんって…
菜乃
なに?
陽向 雫
…菜乃の家に今日行っても良い?
菜乃
良いよ〜
学校終わって
お父さん
あぁ雫君
菜乃
ただいまぁ
陽向 雫
花っていないんですか?
菜乃
誰?花って
菜乃
浮気?
お父さん
浮気は良くない。
陽向 雫
お、俺帰りますね
陽向 雫
ど、どう言うことだ?
陽向 雫
連絡先も消えてるし
陽向 雫
菜乃さんだけ…
SP
今日、花さんに出会いました。
陽向 雫
なんだって?
SP
新幹線の駅で出会ったのですが
SP
お母様だけと一緒におりました。
SP
花様の首には手跡と、目には泣き跡が
陽向 雫
っ!
陽向 雫
もしかして、子供の頃みたいに…
SP
その可能性もあります。
陽向 雫
どこ行きの新幹線だった?
SP
ここは東京、しかし埼玉行きでした。
陽向 雫
実家か
陽向 雫
すぐ行くぞ
SP
手配しております。
次の日
七瀬 花
お、おはよう
お母さん
おはよう。
おばあちゃん
おはよう花。
七瀬 花
わぁ、美味しそう
お母さん
頑張って作ったのよ。
お母さん
それでね、花
七瀬 花
なぁに?
お母さん
学校はどうする?
お母さん
ここら辺の学校に通うのか
お母さん
花がしたい方でいいのよ。
おばあちゃん
そうよ。
おばあちゃん
学校、行きたいんでしょ。
お母さん
あと、携帯
お母さん
雫君にでも連絡したら?
七瀬 花
あ、ありがとう。
七瀬 花
学校はここら辺の学校に通うつもり。
お母さん
そう、楽しんでね
おばあちゃん
ふふ
七瀬 花
あ、ありがとう
七瀬 花
こんにちわ
七瀬 花
花です。
七瀬 花
菜乃にはあったかな?
七瀬 花
私は今とても元気です。
七瀬 花
そっちは菜乃と仲良くやれていますか?
陽向 雫
花。
陽向 雫
今、俺は埼玉に向かってる。
七瀬 花
え?
陽向 雫
ごめん。気づけなくて
陽向 雫
子供の頃みたいに引き剥がされたんだろ。離婚したって聞いた。
陽向 雫
花、俺は菜乃さんよりも、花の事が好きだ
陽向 雫
笑った顔も、悲しい顔も大好きだから、
陽向 雫
一人で抱えないでほしい。
七瀬 花
雫…
陽向 雫
もう、お父さんにも言った。
陽向 雫
もうすぐ着くから。
陽向 雫
次は、ずっとそばに居て
七瀬 花
ありがとう