太宰治
太宰治
あたりがシーンと静まり返る。
その中で国木田が近くのコインランドリーに車を停めながら、
国木田独歩
国木田独歩
と、質問を投げかけた。
太宰治
平然と真実を述べる。
国木田はにわかには信じがたいとでも言いたげな顔だった。
いや、その場にいた誰もがそうだった。
中原中也
中原中也
中原中也
太宰治
太宰治
中原中也
中原は嫌そうに窓の外を眺める。
江戸川乱歩
江戸川の言葉にみな反応し、
車から出る。
そして、横浜ランドワークタワーの入り口をくぐった。
江戸川乱歩
江戸川乱歩
谷崎潤一郎
谷崎潤一郎
江戸川乱歩
江戸川のまっすぐな言葉に
何も、言い返せなかった。
谷崎潤一郎
江戸川乱歩
江戸川乱歩
江戸川乱歩
泉鏡花
江戸川乱歩
泉鏡花
江戸川乱歩
江戸川が中原に手招きをする。
中原はだるそうに江戸川の元へ行き、
なんだよと目を細めて言った。
江戸川乱歩
中原中也
江戸川乱歩
中原は嫌そうにしかめた顔のまま、
渋々頷いた。
江戸川乱歩
パンと手を叩く音と同時に
太宰はエレベーターへと歩き出した。
早く、早く、敦と
“兄”を救えるように、早く。
そしてエレベーターは最上階へと着き、
鏡花は窓ガラスから外の景色を見下ろしながら、
泉鏡花
と独り言を呟いていた。
そこに被せるように中原が窓ガラスにもたれながらこう言った。
中原中也
中原中也
中原中也
中原中也
中原中也
太宰治
太宰治
ゆっくり、窓ガラスにもたれかかる中原に近づき、
太宰は優しく微笑んだ。
太宰治
太宰治
泉鏡花
鏡花がずさりと中原から離れ、太宰の背中へと行く。
中原は顔をしかめて、訝しそうに太宰を睨んだ。
中原中也
中原中也
中原中也
太宰治
太宰治
太宰治
中原は黙り込み、太宰を引き続き睨む。
太宰治
太宰治
太宰治
太宰治
“アバドン”
その名を聞いて、中原の口角は不気味なほどに上に上がり、
気味の悪い声で笑い始めた。
中原中也?
太宰の背中を掴む鏡花の手が震えているのがわかった。