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Color our days

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Color our days

1 - Sound:One I like it, so I keep it a secret.

♥

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2023年03月28日

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人魚、と言われて、人間はどう思うのだろうか。

きっと、自分達と違うことを理由に避けて、虐げて、しまいには殺してしまうのだろう。

僕の国に伝わるお話では、此処には昔人魚姫が居たんだ。彼女は人間に恋をしてしまい、それを本人に伝える為に地上に出た。

しかしそこは、彼女の想像したものとは程遠かった。

彼女の恋した男は人間の国の王子で、彼は自分は人魚だと言い張る姫のことを不審に思い殺したんだ。

……そこからだ。人魚が心を閉ざし始めたのは。

昔は明るい地上近くで暮らしていた僕達も、今じゃ深い海の底へと堕ちていて。

薄暗い檻の中で過ごす日々からそっと逃げたくて、でもそれが出来ない、そんな日々だった。

……でも、でもあの日だけは…。

当たり前のように泡を操り、水中に文字を書いて話す人魚達。

此処は深い深い海の底、人魚が暮らす王国『Color』。

「人魚姫」という昔噺が伝わるこの国に住む人魚たちは、皆人間を恐れている。

そのため国自体が海底を更に深く掘った場所に存在しているんだ。

……あぁ、そういえば。俺が何者か言い忘れてたね。

俺は亮平。 此処、『Color』の王子なんだ。

国王

"亮平。少しいいか"

亮平

"はい、国王陛下"

人魚にはたくさんの種族が居る。

その中でも僕達は尾びれの代わりに脚がある、現時点では人間に最も近い種族なんだ。

人魚は元々色鮮やかな髪や瞳を持つんだけど、この国のほとんどが暗い色の髪、瞳を持っているんだ。

大人や王族……つまり伝説を知り心を閉ざしてしまった人魚達は、その身体からいろどりをなくしてしまった。

もちろん、俺も例外じゃない。

俺の髪は元々群青色だったけど、今じゃ1部を除いて茶色に染まってしまったんだ。

瞳は元々翡翠色で、今は左眼だけ真っ黒。

他の子供達と違う黒い瞳がコンプレックスで、左目には包帯を巻いてるんだけど。

さっき紹介した昔噺。あれは普通20歳の誕生日を迎えるとともに伝えられるもの。

つまり子供たちは人間の恐ろしさを知らない。

王子として幼少期に文化を知らされてる俺を除いて、ね。

このお話を国王…父から聞いた時は、本当に絶望したよ。

人間というのはどこまで悍ましい生き物なんだろう、って。

当時の俺は優しい生物だと思っていたんだ、彼らの本性なんて知りもせずに。

俺がこの家系に生まれなければ、今もまだ地上を追い求めて上へ上へと泳ぎ続けてたのかなぁ?

…まぁ、地上へ辿り着いたら知ってしまうのだろうけど。

亮平

"どうされましたか?国王陛下"

国王

"お前が友達と上手くやれてるかと思ってな"

亮平

"それならご安心ください。おふたりは今まで通り仲良くしてくださってますから"

国王

"そうか、それなら良かった"

亮平

"お気遣い頂きありがとうございます、国王陛下"

国王

"お父さんと呼んでもいいんだぞ?"

亮平

"いえ、この国の規律を乱す訳にはいきません"

国王

"お前は真面目だな"

亮平

"私も国王陛下の跡を継ぐ者ですので、心構えは大切だと思いまして"

国王

"頼もしいな、ありがとう。上手くやれてるなら良かった。友達と遊んで来なさい"

亮平

"はい、失礼致します"

王子、だからといって、何か難しい仕事がある訳ではないんだよ。

父の近くで政経を学び、時に父を支える、それだけ。

父の元を離れしばらく泳ぐと、そこには友人達の姿があった。

 

"亮平"

亮平

"涼太、大介。今日は何するの?"

大介

"今日こそ人間に会いに行こうと思って!"

亮平

っ……

亮平

"それは、駄目だよ"

涼太

"どうして?"

亮平

"国王陛下に言われたでしょう?勝手に地上へ行ってはいけないって。"

大介

"そーだっけ?俺覚えてないや!"

嘘。そんなこと言われてない。

そもそも勝手に行く人魚は居なかったから、父は条例を出してないんだ。

ただ、2人に知ってほしくなかっただけ。

俺は2人の鮮やかな髪や瞳が、何よりも好きだったから。

𓂃 𓈒𓏸◌‬𓈒 𓂂𓏸to be continued𓂃◌𓈒𓐍‪ 𓈒𓏸‪‪𓂃

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コメント

6

ユーザー

なぜ私は1話目を見ていなかったのだ!!

ユーザー

うん、神作!!!!!( ᐙ )←遂に狂った

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