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……絶対、何が起きるよね

ハーツラビュルの庭を離れたあと 私は小さく呟いた。

リドル先輩の言葉は優しかった。 トレイ先輩も、ケイト先輩も エースもデュースも。

ー居場所は、ちゃんとあった。 なのに。

ケイト・ダイヤモンド

その顔、嫌な予感してる時の顔だよ

背後から軽い声。

ケイト先輩…

ケイト・ダイヤモンド

オクタの視線、バチバチだったもん

…やっぱり、分かりますよね

ケイト・ダイヤモンド

分かる分かる。
あそこはさ、話をするって言いながら、逃がさないから

笑っているけど、忠告だ。

ケイト・ダイヤモンド

ま、困ったらけーくんか誰かに助け求めなよ?

はい…

その直後だった

アズール・アーシェングロッド

監督生さん

やけに丁寧な声。 振り返った瞬間、心臓が跳ねた。

アズール…先輩

オクタヴィネル寮長、アズール・アーシェングロッド。

その隣には、ジェイド先輩。 そしてーやたら近い距離に、フロイド先輩。

アズール・アーシェングロッド

こんにちは

アズールはにこやかに微笑んだ。

アズール・アーシェングロッド

少し、お時間をいただけませんか?

…少し、ですか?

アズール・アーシェングロッド

えぇ。ほんの少し

その"少し"が信用出来ない

ジェイド・リーチ

ちょうどよかった。
実は監督生さんにぜひ来ていただきたい場所がありまして

場所…?

ジェイド・リーチ

モストロラウンジです

即答だった

…え

ジェイド・リーチ

ランチタイム前ですし、混雑もありません

アズールがメガネを押し上げる

アズール・アーシェングロッド

ゆっくりお話しできますよ

フロイド先輩が、ぐっと距離を縮めた

フロイド・リーチ

ねぇ、行こーよ

ち、近…

フロイド・リーチ

いいじゃん。減るもんじゃないし

断る理由を探す前に、退路が消える。

…分かりました

そう言った瞬間、3人の表情が微妙に変わった。

捕まった

わぁ…

モストロラウンジは相変わらず別世界だった。

アズール・アーシェングロッド

どうぞ、こちらへ

案内されたのは、奥のソファ席。 逃げにくい。

ジェイド・リーチ

注文は?

えっと…

アズール・アーシェングロッド

今日は僕の奢りです

…え?

アズール・アーシェングロッド

ご招待ですから

断らせる気がない

フロイド・リーチ

じゃあ、いつものぉ〜

フロイド先輩が勝手に決める

ジェイド・リーチ

監督生さんには、甘めがいいでしょう。

ジェイド先輩が補足する。

数分後、綺麗に盛り付けられたドリンクが並んだ。

アズール・アーシェングロッド

さて

アズール先輩が指を組む。

アズール・アーシェングロッド

改めて言わせてください

真っ直ぐ、こちらを見る。

アズール・アーシェングロッド

ご無事で何よりです

…ありがとうございます

アズール・アーシェングロッド

正直に申し上げますと

声が、少し低くなる。

アズール・アーシェングロッド

あなたが退学にならなかったと聞いて、安心しました

どこかで聞いた台詞。

でも、リドル先輩とは違う温度。

理由、聞いてもいいですか

私がそう言うと、アズール先輩は微笑んだ。

アズール・アーシェングロッド

価値が失われなかったから、です

…価値?

アズール・アーシェングロッド

えぇ。

即答。

アズール・アーシェングロッド

男装していた女子監督生。
学園の秩序、注目度、人間関係…

淡々と並べる。

アズール・アーシェングロッド

どれを取っても、非常に興味深い存在だ

…それ、褒め言葉ですか?

フロイド先輩がクスッと笑う。

フロイド・リーチ

褒めてるよ〜?

アズール・アーシェングロッド

もちろん。
ですから、提案があります

提案…?

アズール・アーシェングロッド

オクタヴィネルは、あなたにとって”安全な場所”になれます

ジェイド先輩が、静かに付け足す

ジェイド・リーチ

情報も、人も、揃っていますから

フロイド・リーチ

困った時、迷った時

フロイド先輩が、机に頬杖をつく。

フロイド・リーチ

俺らのとこ来ればいいじゃん

…それって

アズール・アーシェングロッド

合理的な判断です

逃げ道は、もう見えない。

アズール・アーシェングロッド

もちろん、強制ではありません

そう言いながら、笑う。

アズール・アーシェングロッド

ですか…

眼鏡の奥の瞳が、細くなる。

アズール・アーシェングロッド

断る理由も、ありませんよね?

私は、ドリンクに映る自分を見た。

ここは、ハーツラビュルの庭じゃない。

優しさだけじゃ、済まされない場所。

…考えさせてください

アズール・アーシェングロッド

いいですよ

即答。

アズール・アーシェングロッド

その代わり

アズール先輩は、楽しそうに言った。

アズール・アーシェングロッド

また、モストロラウンジの来てください

ジェイド先輩が微笑む。

ジェイド・リーチ

いつでも歓迎します

フロイド先輩が、耳元で囁いた。

フロイド・リーチ

逃げても、すぐ見つけるからさ

…甘くて、怖い。 それが、オクタヴィネルだった。

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