裡嫩の両親はすでに他界しています。
裡嫩(りのん)
はぁ…。
裡嫩(りのん)
今日もひとりかぁ…。
七星(ななせ)
君、いまひとり?
裡嫩(りのん)
え…、はい…。
七星(ななせ)
お父さんとかお母さんは?
裡嫩(りのん)
いません。
七星(ななせ)
そう…。
裡嫩(りのん)
どうして、僕なんかに…。
七星(ななせ)
君、いつもここにいるじゃん。
裡嫩(りのん)
そうですけど…。
七星(ななせ)
はい、これ。
七星(ななせ)
お節介だったら捨てて。
裡嫩(りのん)
…ありがとうございます。
裡嫩(りのん)
絶対にこの恩お返しします。
七星(ななせ)
俺の好きでやってんの。
裡嫩(りのん)
でも、本当にありがとう。
七星(ななせ)
全然いいよ。じゃあね。
裡嫩(りのん)
はい…!ペコッ
こうやって、僕に優しくしてくれる人もいるんだと分かった。
きっとあの人がいなかったら僕は今頃どうなっていたか。
あの男の人には感謝しなくては。
いつからか僕はあの男の人を探すようになっていた。
裡嫩(りのん)
(あの人にまた会いたいなぁ…。)
ドンッ
裡嫩(りのん)
えっ?
ガシッ
裡嫩(りのん)
あ、あ…。
七星(ななせ)
平気?
裡嫩(りのん)
あ、はい。ありがとうございます。
七星(ななせ)
あんた…。
裡嫩(りのん)
何ですか?
七星(ななせ)
いや、何でもない。
裡嫩(りのん)
そう、ですか。
女子生徒
七星く〜ん!
七星(ななせ)
ナニ?
女子生徒
七星くんってぇ、
女子生徒
女の子、好き?
七星(ななせ)
どーだろね、好きじゃない?
女子生徒
えー♡
女子生徒
じゃ、私のこと好き?
七星(ななせ)
まぁ、そこらの女子よりな。
女子生徒
きゃー♡
裡嫩(りのん)
(学校一モテる男子、七星先輩。)
女子生徒
てかぁ、この子誰ぇ?
七星(ななせ)
んー。後輩?
裡嫩(りのん)
えっ…?
女子生徒
へぇ…、七星くんの後輩ね…。
女子生徒
それにしては…ちょっと…。
裡嫩(りのん)
……。
七星(ななせ)
そ?可愛くね?
女子生徒
はっ?あ、そうだねっ!
裡嫩(りのん)
…後輩か。ポツリ
七星(ななせ)
じゃね、後輩くん。
裡嫩(りのん)
…はい。