室内に入ると
1人の女子生徒が
窓際に立ちグラウンドを
眺めていた。
遊
あ、あの‼︎突然...す...せん...

遊
あ、いえ、別に決して絶対に怪しい者では

遊
...へ?

遊
何...で...

刹那
お待ちしておりました、風祭 遊様

遊
な...どうして刹那さんがいるんですか⁉︎

遊
しかも制服着てるし...ここの生徒だったんですか⁉︎

刹那
いえ、私はこの学校の生徒ではありません

刹那
猫屋敷グループの力でこの学校の生徒としていられるように手を回しただけです

遊
(金持ち怖っ)

刹那
怖くありませんよ

遊
エスパーですか?

遊
何か某漫画みたいな展開ですけど、一旦それは忘れますね...

遊
あれ?そういえば「お待ちしておりました」って...どゆこと?

刹那
そのままの意味です

刹那
“例の件”で私は瑠流様のお役には立てませんでした

遊
え、でも加害者の“始末”は完了したって...

刹那
ええ、しましたよ。ですがそれは裏の仕事です

刹那
表面では瑠流様から手を出すなと言われていたため、あなた方に任せたのです

刹那
ですので、今回の文化祭で瑠流様からの信頼回復に努めようと考えております

遊
んー...でもこの状況をどうやって説明すれば...

と考えている時
ガラッとドアが開き
廊下で待っていた
2人が入ってきた。
遊
あ...2人とも...

瑠流
何で...

瑠流
何で...刹那がここにいるの⁉︎

茜
知り合いか?

刹那
申し遅れました

刹那
私、猫屋敷 瑠流様の専属メイドを務めております。血洗島 刹那と申します

茜
制服着てるけど...?

刹那
それは...

茜
大体は分かった。なら血洗島って...桃音ってヤツ知ってるか?

刹那
彼女を知っているのですか?

茜
知ってるも何も結構前に図書館で...あっ‼︎

遊
ん?どったの?

茜
結構前に日曜日に図書館で待ち合わせするって言ったのに、いじめの件で完全に忘れてた‼︎

すると刹那さんは
ポケットから手帳を取り出すと
パラパラとめくり、
何かを見つけて止めると
そのページを茜に見せた。
刹那
彼女の連絡先です

茜
え、あ、ありがとう...

茜
やっぱり2人は姉妹なのか?

刹那
はい、あちらが姉で、私が妹です

茜
あの身長差で...?

刹那
あなたも“彼女”と同じことを言うのですね

茜
“彼女”...?

刹那
何でもありません

瑠流
...文化祭、やっぱり私は反対

遊
えー⁉︎何でさ‼︎

瑠流
だって、何で学校でも監視されなきゃいけない訳⁉︎

遊
監視って...

瑠流
どうせ、お父様の命令でしょ‼︎

刹那
いいえ、私の独断です

刹那
私の雇用主は旦那様ですが、あくまでも優先すべきなのは瑠流様、あなたなのです

遊
...と言ってますけど?

瑠流
....

茜
なら、こうするのはどうだ?

茜
猫屋敷は一緒に活動をしていく中で、刹那さんを信頼できるかどうかを見極めればいいんじゃねーの?

遊
凄い...茜って人をさん付けで呼べるんだ...口調はいつも通りだけど

茜
どこに感動してんだ、目上の人をさん付けするのは(桃音を除いて)当たり前だろ

茜
で、どうだ猫屋敷?

瑠流
...ここでわがまま言ってもアレだし、分かったよ

遊
あ、そうだ刹那さんに許可取るの忘れてた‼︎

刹那
私は協力致しますよ、先程待っていたと申し上げたではありませんか

遊
なら問題ないか‼︎

茜
ん?ちょっと待て...

茜
刹那さん、他にも部員は?

刹那
いませんが?

茜
は...

茜
はああああああッ⁉︎
