遥紀
いや、離してっ
三ツ谷
遥紀?
遥紀
たすけ
三ツ谷
ッッはぁっ、はぁっ、
月に一度、嫌な夢を見る
遥紀が痴漢にあって俺に助けを求めてくる
伸ばされた手を掴むこともできず、遥紀は乱れた姿で俺に抱きついた
三ツ谷
……くそっ!!
あの日、俺は遥紀を助けられなかった
コミュニケーション力がないと言われるのも、遥紀が男になりたがるのも全部
男が怖いからだ
三ツ谷
……バカバカしい
女子としては珍しいズボンをはいて登校
みんなが一斉に私を睨む
そんなもの慣れてしまっていた
三ツ谷
はよ
遥紀
あ、三ツ谷
後ろから三ツ谷が来た瞬間、ガラリと教室の空気が入れ替わった
遥紀
……おはよ
三ツ谷
どうした?
三ツ谷
顔色悪いぞ
遥紀
大丈夫だよ、なんともない
普通じゃない私が悪いの?
そんなわけ無い
私は私の色だけに染まりたい
他人の色になんて染まりたくもない
遥紀
(…ストレス発散しに行こ)
広いとも狭いとも言えない施設
ここは明石ボクシングジム
千咒
おーっ!遥紀だ〜っ!!
遥紀
わ、千咒!久しぶり
知り合いの女の子が誘ってくれたから、私はたまにここへ来ていた
遥紀
風羽ちゃんは、
千咒
最近きてねぇよ?
遥紀
そっか…
華咲風羽ちゃん、別の学校のお友達で、不良とか変わっていると聞いた事がある
私も人の事は言えないけど
それから私はミッドに打ち込みを続けた
バンテージは解け、手首がズキズキと痛む
こんなんじゃ男の子になれない
……また
千咒
遥紀うまくなってんゾ!
遥紀
そっか、良かった!
千咒
帰んのか?
遥紀
うん、そろそろ帰らないと
千咒
また来いよな!!
遥紀
うん、次は風羽ちゃんと来るね
千咒
おう!






