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結局、声を掛けることなんてできず私は逃げるようにその場を離れた。
佐和子
私って何なんだろう。
自分の気持ちに気づいた途端に失恋なんて。
しかも同じ相手に２回も。
もう情けな過ぎて笑うしかない。
そして家に帰ってもずっと目に焼き付いて離れないのが仲が良さそうに話している２人の姿で
途切れ途切れ聞こえてきた２人の声が耳の奥でエコーし続けている。
はっきりとは聞こえてこなかったけど多分
琴音ちゃんが“私と会っているけど佐和子さんは良いの？”と言ったのに対して和真が“気にしない”と言ったんだろう。
確かに私には和真が琴音ちゃんと会う事をとやかく言う権利なんてない。
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