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霧が立ちこめる朝
山の中腹にそびえる巨大な城のような建物 それが魔法使いの英才を育てる全寮制の学び舎
セレフィア魔法学院
入学式の朝,零のは制服の襟を整えながら深く息を吐いた
玲乃
玲乃
彼女の腕の中では,白猫の由宇が気持ちよさそうに目を細めている
由宇
玲乃
由宇
由宇の声は玲乃の心をそっと撫でるように優しかった
入学式の会場は、魔法で浮かぶ光の天井に照らされ、まるで星空の下にいるようだった
壇上では、学院長が新入生たちを見下ろしながら、厳かに告げる
学院長
続いて始まったのは、魔力測定の儀式
一人ずつ壇上に上がり、魔法陣に手をかざすことで、属性とランクが明かされる
玲乃の番が来た。壇上に立ち、そっと手を差し出す。魔法陣が淡く光り、水色の波紋が静かに広がった
属性:水。ランク:C+
教師たちは一瞥をくれただけで、すぐに次の生徒へと目を向けた。玲乃は胸をなでおろし、そっと壇を降りる
玲乃
だが、その様子をじっと見つめる視線があった
白銀の髪に、氷のような瞳を持つ少年—雪兎。彼の測定結果は、会場をざわつかせた
属性:氷・風・雷・空間。ランク:SS+
ざわめきが広がる。教師たちの表情が一瞬、強張ったのを玲乃は見逃さなかった
玲乃
そして、最後に発表されたのは、ペアの組み合わせ
学院長
会場は静まり返り,玲乃は凍り付いた
玲乃
雪兎がゆっくりと近づいてくる
雪兎
玲乃
雪兎
その言葉に、玲乃は戸惑いながらも、どこか胸の奥が温かくなるのを感じていた
魔力測定の光が次々と天井に舞い上がっていく
赤、緑、金、紫——色とりどりの魔力が、まるで花火のように弾けては消えていく
雪兎
雪兎は静かに自分の番が来るまでじっと,無表情のまま列の後方から見ていた
教師
壇上に立ち,手をかざす 魔法陣が一瞬音もなく震え,氷のような白銀の光が天井を突き抜けた
風が起こり,雷が走り,空間が歪む
属性:氷・風・雷・空間。ランク:SS+
ざわめき,教師たちの目が一斉にこちらを向く その中に敵意と警戒が混じっているのを、雪兎は見逃さなかった
雪兎
彼は静かに壇を下り,指定された席へと戻る
その途中、ふと視界の端に、ひとりの少女が映った。水色の髪,吸い込まれるような赤い瞳
彼女の測定結果は、たしか“水属性・C+” だが——
雪兎
彼女の魔力はまるで深い湖の底のようだった 静かで澄んでいて、けれど底知れない
学院長
その瞬間、彼女の顔がこわばった。 驚き、戸惑い、そして——恐れ
雪兎は彼女の前に立ち、静かに名を尋ねた
雪兎
玲乃
雪兎
玲乃は一瞬、目を見開いた。 そして、ほんの少しだけ——ほんの一瞬だけ
唇の端が、かすかに上がった
雪兎
雪兎はその表情を、見逃さなかった。
それが、彼女の“仮面”の隙間からこぼれた、本当の顔だと、なぜか確信できた
入学式を終えた新入生たちは、各自の寮へと向かっていた。玲乃と雪兎も、案内役の上級生に導かれながら、水の寮へと向かっていた
玲乃
玲乃が小さな声で話しかける
雪兎
玲乃
そのやりとりを聞いていた由宇が、玲乃の腕の中でくすくすと笑った
由宇
玲乃
玲乃が小声でたしなめると、由宇はふにゃっと笑って、ふいに玲乃の腕から飛び降りた
玲乃
白猫の姿は、ふわりと霧の中へ消えていく。 玲乃は慌てて追いかけた
玲乃
玲乃は霧の深まる森の中を走っていた。由宇の白い尻尾が、木々の間にちらちらと見える
玲乃
やがて、足元の道がぬかるみ、木々の影が濃くなる。空はすでに茜色から群青へと変わり、夜の帳が降り始めていた
玲乃
そのとき、背後から風が吹いた
振り返ると、そこには雪兎がいた
玲乃
雪兎
玲乃
雪兎
玲乃は驚いたように彼を見つめた 雪兎は彼女の肩にそっと手を置いた
雪兎
玲乃
森の奥、霧が濃くなるにつれて、空気がざわつき始めた。玲乃と雪兎は、由宇の気配を追っていたが、突如、異様な気配が周囲を包んだ
雪兎
雪兎が低くつぶやいた瞬間、木々の間から黒い影が飛び出した
雪兎
雪兎が前に出て魔力を展開しようとしたその時 影が玲乃に向って飛びかかる
その瞬間、白い光が爆ぜた。眩しさに目を細めると、そこには——巨大な白獣の姿があった
由宇だった。ふだんは手のひらに乗るほどの小さな白猫が、今は玲乃と雪兎を軽々と背に乗せられるほどの大きさに変化していた
由宇
由宇の声は、いつもより低く、どこか神聖な響きを帯びていた。その背から放たれた光の波動が、魔物を一瞬で霧散させる
由宇
玲乃
由宇
やがて、寮の灯りが見えてきた。由宇は静かに地面に降り立ち、二人をそっと下ろす
由宇
そう言うと、由宇の体はふわりと光に包まれ、元の小さな白猫の姿に戻った
玲乃はそっと抱き上げ、胸に抱きしめる
玲乃
由宇
雪兎はその様子を見ながら、静かに思った
雪兎