陽光シーサイドホテル
読者さん
(うーん……)
読者さん
(結愛さんへのお土産はこれで良いか……)
読者さん
(いや、それともこっちか!?)
ホテルの内部にあるお土産コーナー
見るものの心を魅了し
旅の思い出の逸品にしてくれる
読者さん
(まぁ……自分のセンスには期待できそうにないから)
読者さん
(ベターに……無難にこのクッキーをね)
割と大きめなクッキーの缶を発見
割とメジャーなお土産だが
少なくとももらって嬉しいはずに違いない
天音
おやぁ〜?
天音
ヨミィちゃんじゃ〜ん!!
他にもなにかないかと物色していると
そう思っていたとき……
後ろから聞き慣れた優しくて気の抜ける声
読者さん
おわっ!?
読者さん
天音さん
読者さん
奇遇ですね……こんなところで
天音
やっほ〜
天音
こんばんわ!!
天音
楽しんてる?
読者さん
これはどうも……こんばんわ
読者さん
ちゃんと楽しんでますよ!!
読者さん
いゆぁ、良いホテルですよね
天音
おっ、わかってるねぇ……
実際にこの言葉は嘘はなく本心だ
部屋から見えるのは地平の彼方までのオーシャンビュー
そして……満点の星空
天音
お〜っ、何を買う予定なのかな?
天音
もしかして?
天音
もしかして旅のお土産探しかなぁ?
読者さん
そうなんですよ
読者さん
結愛さんに報告したいのも山々
読者さん
手ぶらで帰るわけにもいかないので……
読者さん
このクッキーをお土産にね
天音
良いじゃん良いじゃん!!
天音
きっと結愛ちゃん喜んでくれるよ〜
天音
お菓子とか好きだし
読者さん
ですよね
読者さん
明日帰るのが楽しみ
天音
まぁまぁそう焦らないの
天音
今はこのホテルの悠々自適を楽しんでね!!
読者さん
そ……そうですね
読者さん
ホテルなんてめったに泊まれませんし
読者さん
この華やかな空間を今は堪能しなくちゃ
無事にお土産を買うこともできた
手にぶら下げたクッキー
初給料を女神に捧ぐものなり
陽光シーサイドホテル
読者さん
あぁ……
読者さん
幸せだぁ
読者さん
蕩けそうなほどに癒やされるぅ
大きなベッドは体を優しく包み込んでくれる
何も否定せず
物言わずとも肯定してくれる
読者さん
すっごいふかふかだぁ
読者さん
まるでお日様に包まれてるみたい
読者さん
これじゃあすぐ眠っちゃうじゃん
こんな高級そうなホテル
まだ見て回ってない館内の施設の周遊をしたいが……
この寝具の誘惑ときたらたまらない
読者さん
なんかもうどうでも良くなってきた
読者さん
別に疲れたわけじゃないけど
読者さん
もう寝ちゃおうかなぁ……
寝るには少し早いかもしれない夜の20時
まだまだ夜はこれからだとは言うが
そんなことをうっすら思うも……どうでもよく思える頃には夢の中
読者さん
……
読者さん
……
読者さん
……zzz
人の動きを探知しなくなったのか部屋の電気がフッと消え
部屋は淡い闇に包まれる……
ヨミぃもお土産のクッキーも……そして意識も