赤は水が話した言葉に 目を見開いた
水が話した 「茶髪に黄色のグラデーション」は 賽野家の末っ子であるゆーくんと 全く同じ特徴なのである
@ 赤
@ 赤
@ 赤
@ 水
@ 赤
@ 水
@ 水
@ 赤
@ 水
@ 赤
薄々感じてはいたが、朝神社に来た 幼い2人は、赤の弟達なんだろう
今思い返せば、確かに細かったし 傷跡も残っていた
ゆーくん、という子がふらついて 階段から転げ落ちそうになったのも 栄養が足りず目眩などが起こったと考えれば全ての辻褄が合う
@ 水
@ 赤
@ 水
@ 赤
赤はホッとしたような、 穏やかな笑顔を水に向けた
赤の瞳はとても純粋で、 透き通っていた
@ 赤
@ 赤
笑顔が急に失われ、焦るように 縁側を立ち上がった赤
先程まで子供みたいな瞳だった彼が何か強い覚悟をしたような、 瞳に打って変わる
@ 水
@ 赤
@ 赤
水の不安が赤にも伝わったのか、 赤は水を慰めるように鈴を見せた
鈴には水の神力が集っていて 赤の体温によって温もっていた
その温もりが赤を守るように 優しく赤の周りを包む
@ 赤
@ 水
彼の細い背中を見つめる 後ろ姿でも分かる残酷さ
@ 水
@ 水
@ 水
@ 水
水は息を吐き捨てるように呟くと ふわりと、鳥居から階段を見下ろす
もう其処には赤はおらず、 ガラリとした雰囲気だった
寒い北風が水の髪を揺らす
水は髪を振るい、前髪を治す ふと前を見上げると階段の周りの 木の葉が残り5つになっていた
@ 水
水が鳥居の下で独り言を言うと 噂をすれば、というように
1つの小さい葉が、風により散った
小さい葉は、水の足元に そっと落ちた
@ 水
@ 水
水は階段に背を向け、歩み進めた 階段の周りの木が、彼の背中を 見守った
『また明日、かみさま』
@ 水
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