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私はもうダイジョウブ

第1話 - 私はもうダイジョウブ

2019年10月21日

#恋愛

ʚ✞ɞ 平野さら ʚ✞ɞ

大橋斗真

なぁ、俺さ、ずっと気になってたんだけど

篠崎望美

なに？

大橋斗真

俺が転校して1ヶ月たつけど､俺の隣の席って誰なの？

篠崎望美

あー1つ空いてるよねあの席

大橋斗真

先生に聞いてみよっかなー

篠崎望美

うん、気になるしね。

大橋斗真

先生

担任

あら、大橋くん、どーしたの？

大橋斗真

あのさ､俺の隣の席っている？

担任

……そうね、大橋くんはまだいなかったもんね。

大橋斗真

俺が来る前はいたってことですか？

担任

その子､深谷凛ちゃんって子なの。

大橋斗真

深谷……凛…？

担任

そう。

担任

入学して､すぐ来なくなっちゃったの。

担任

来て2週間ぐらいだったかなー。

大橋斗真

2週間…みんな､覚えてないのかな

担任

覚えてる人は覚えてると思うわよ。

担任

なにしろ、目立ってたし。

大橋斗真

目立ってた？

担任

肌が白くて､黒く肩ぐらいの綺麗な髪の毛

担任

まつ毛が長くて目がぱっちりしてて

担任

顔がちっさくて､鼻は長く綺麗で引き締まった口。

担任

すらっとした高身長に足が細くて。

担任

とにかく、他の子とは全く違くて

担任

雪の中で生まれ育った感じの子だったよ。

大橋斗真

へぇ、

大橋斗真

なんで、その深谷さんは来なくなったんですか？

担任

なんでかしら、急にいなくなったの。

大橋斗真

え？

担任

訪問とかは何度もしてたのよ。

担任

だけど､親御さんたちもお話はしてくれなくって。

大橋斗真

追い出されたって感じですか？

担任

えぇ。

大橋斗真

俺､その子の家に行ってみます。

大橋斗真

住所、教えてください。

担任

えっ、でも…

大橋斗真

大丈夫です。行かせてみます！

担任

大橋くん…気をつけてね。

翌日

大橋斗真

……ここかなぁ…

大橋斗真

んー？どこだぁぁぁ！

大橋斗真

俺､馬鹿だった。忘れてたわ。

深谷凛

……誰かをお探しですか？

大橋斗真

！？

深谷凛

？

大橋斗真

（綺麗だ…凄い肌が白い…綺麗…）

深谷凛

あの…？

大橋斗真

あっ、いやっ、そのっ、すみません…

大橋斗真

この住所の自宅を探しています。

深谷凛

拝見します。

深谷凛

これ…私の家です…………。

大橋斗真

え！？！？

深谷凛

高校生…もしかして､○○高校の方ですか？

大橋斗真

はい

深谷凛

探しているのは､わたし深谷凛…？

大橋斗真

やっぱりあなたか！

深谷凛

私になにか用ですか？

大橋斗真

えっと…その

深谷凛

とりあえず､家の中へ。

大橋斗真

お、お邪魔します…

深谷凛

お茶です、どうぞ。

大橋斗真

ありがとう。

大橋斗真

あの…深谷さん。

深谷凛

なんでしょう。

大橋斗真

俺､C組です。

深谷凛

そうなんですか。

大橋斗真

深谷さんもですよね

深谷凛

あれ、そうでしたっけ…。

深谷凛

すみません、覚えてなくって。

大橋斗真

あーそうですよね。

深谷凛

あの

深谷凛

お名前を伺ってもよろしいですか？

大橋斗真

……あっ、忘れてた

大橋斗真

大橋斗真っていいます。

深谷凛

……大橋斗真…さん。

深谷凛

すみません、あなたのことも覚えてなくて……

大橋斗真

それは当たり前ですよ

大橋斗真

1ヶ月前ぐらいに転校してきた人なんで！

深谷凛

そうだったんですね。

大橋斗真

敬語やめない？

深谷凛

…まだ初対面だし。

大橋斗真

じゃー慣れたらタメでいこ！

深谷凛

はい

大橋斗真

今ねー深谷さんと隣の席！

深谷凛

そうなんですね

大橋斗真

誕生日いつ？

深谷凛

12月22日

大橋斗真

クリスマスに近いね

大橋斗真

血液型は？

深谷凛

AB型

大橋斗真

最近の欲しいものは？

深谷凛

……目標

大橋斗真

目標？

大橋斗真

詳しく聞いてもいい？

深谷凛

はい…

深谷凛

私には､目標がありません

大橋斗真

ないの？

深谷凛

はい、たいして学校も行ってなくて

深谷凛

家でゴロゴロしている生活を毎日のようにしています。

大橋斗真

うんうん

深谷凛

いつも何を考えているのかよく分かんないし

深谷凛

中学1年生の頃までは普通でした

深谷凛

普通の目標をたてそれに向けて努力をしていました。

大橋斗真

うん

深谷凛

けど､

ｺﾝｺﾝ

深谷凛

……はい

母

入るね

母

え、どちら様？

大橋斗真

あっ、凛さんのクラスメイトの大橋です。

母

何しに来たの？

深谷凛

おかーさん…

大橋斗真

凛さんが学校に来て欲しくて来ました。

母

悪いけど、凛はもう二度と学校には行きませんので。

大橋斗真

何故ですか？

母

行かせたくないからよ。

母

そもそも凛が学校で何があったか貴方に分かるんですか？

大橋斗真

それは、分からないけど…

深谷凛

大橋くん、もう大丈夫です。

大橋斗真

おれは

深谷凛

学校には行きません。

大橋斗真

……………………

深谷凛

すみません。

大橋斗真

か、帰ります

深谷凛

………………

母

やっと帰った。

深谷凛

お母さん…もうあんな事言うのやめてよ

母

なによ、凛のために言ってるんでしょ。

母

てか、男を家の中に入れないでくれる？

母

汚れる。

深谷凛

お母さん！

深谷凛

大橋くんはそんな方じゃないでしょ！

深谷凛

男の子みんながあの人じゃないんだから

母

あの人は､もうしねばいいのに。

深谷凛

……ｯ…

翌日

篠崎望美

で？どーだったのよ

大橋斗真

会えたは会えたけどさ

篠崎望美

会えたんだ、よかったね

大橋斗真

うん、かわいかった。

篠崎望美

ふーん

篠崎望美

ダメだったの？

大橋斗真

うん。

大橋斗真

お母さんが来て色々言われてさ。

篠崎望美

今日も行くの？

大橋斗真

うん

篠崎望美

じゃー、わたしも行こっかな

大橋斗真

え？

篠崎望美

会ってみたら何か覚えてるかもだから。

大橋斗真

篠崎が思い出すってこと？

篠崎望美

うん、だって入学式はいたんでしょ？

大橋斗真

おれ、やっぱ、行くのやめる

篠崎望美

え？なんで？

大橋斗真

篠崎が行くのなら俺行かなくていいやって。

篠崎望美

いやいや、意味わかんないし！

篠崎望美

わたし、道わからんよ！

大橋斗真

教えるから

篠崎望美

えぇ……

篠崎望美

……ここかなぁ

深谷凛

……あの､またですか？

篠崎望美

………………あなたが深谷凛さん？

深谷凛

…はい。

篠崎望美

私､篠崎望美

深谷凛

深谷凛です。

篠崎望美

単刀直入に聞くね。

篠崎望美

なんで､学校来ないの？

深谷凛

教えられません。

篠崎望美

てことは、何かあったってわけね。

深谷凛

あの…？

篠崎望美

あなたが学校来ないのは来ないで別にいいんだよ。

深谷凛

え？

篠崎望美

だってその方が大橋に近づかないでしょ。

深谷凛

大橋くん…？

篠崎望美

好きなんだよ。私。大橋が。

深谷凛

そうなんですね。

篠崎望美

だからいいの。

深谷凛

私は学校行くつもりはありません。

篠崎望美

けど困るんだよね。

篠崎望美

あなたが来ないと大橋の頭の中には深谷さんのことばっか。

深谷凛

……はぁ…

篠崎望美

とりあえず明日､来てくれない？

深谷凛

いやです。

篠崎望美

はぁ？

深谷凛

行くか行かないかは私の勝手。

深谷凛

私が行かないからって､あなた達に迷惑をかけているわけじゃないでしょう。

篠崎望美

そうよ

篠崎望美

けど､不登校とかずるい

深谷凛

篠崎さん。

深谷凛

私､あなたのこと覚えてるよ。

篠崎望美

私だって､覚えてる。

篠崎望美

深谷さん、学校来てたの入学式の日だけじゃないよね。

深谷凛

うん

篠崎望美

入学して､2週間はいた。

篠崎望美

みんなだって､深谷さんのこと覚えてると思うよ。

深谷凛

覚えられてなくてもいいんだ。

篠崎望美

深谷さんって､そーゆう人だよね

篠崎望美

病みすぎ。

深谷凛

公園…行かない？

深谷凛

あの時､望美ちゃんが助けてくれたんだよね。

篠崎望美

私は別に助けたわけじゃない…

篠崎望美

ただ凛が困ってそうに見えただけ。

深谷凛

思い返してみたらあれが初めて私へ対しての優しさだったなって。

6ヶ月前

藤田楓

だからぁ〜掃除当番ぐらい変わっても良くな〜い？

木島優香

そ〜だよ！

木島優香

うちらはカラオケ行きたいんだって〜！

深谷凛

そ…それなら､掃除をしてから行ってください。

木島優香

はぁ！？

藤田楓

おまえさぁ､なめてんのか？

藤田楓

こっちはぁ､暇そうなお前に掃除っていう

藤田楓

遊びを与えてあげてんの！

深谷凛

掃除が遊び？

木島優香

お前にとってはそーゆうもんだろ！

藤田楓

早く！はい、やります。って言いなさいよ。

深谷凛

わ…分かりました。

木島優香

よろしい

藤田楓

んじゃぁ、よろしく〜！

木島優香

ふふっ

藤田楓

愛してるよ〜凛ちゃん！

木島優香

きゃはははは

木島優香

凛ちゃんはヤバいって！

藤田楓

えぇ？友達でしょ〜！？

篠崎望美

だっさぁ〜

篠崎望美

動画！撮っちゃった！

深谷凛

…？

木島優香

望美！

篠崎望美

お前らさぁクズだなー

藤田楓

なに？

藤田楓

代わりに望美がやってくれるわけ？

篠崎望美

は？やる訳ねーじゃん。

藤田楓

だったら引っ込んでろよ。

篠崎望美

だからぁ､深谷さんは､私とこれから遊ぶから

篠崎望美

あんたたちの遊びはいらないっつってんの。

木島優香

はぁ？望美と深谷さんが？

木島優香

きっも

藤田楓

まぁ、バカどうしお似合いだと思うよ〜

篠崎望美

じゃあそっちはクズどうしお似合いだね

木島優香

……

藤田楓

結局何が言いたいわけ？

篠崎望美

掃除当番ぐらい自分でやれよって。

篠崎望美

じゃないと、この動画全校生徒の前で流すけど。

篠崎望美

問題ある？

藤田楓

っ、

藤田楓

わかったよ。

木島優香

楓！

藤田楓

優香ごめん、さき予約しといて

木島優香

わ、わかった……

篠崎望美

大丈夫？

深谷凛

篠崎さん…ありがとう。

篠崎望美

あーゆうヤツら本当に気に食わないんだよねー。

深谷凛

私、暇そうに見えるんだ。

篠崎望美

え？

深谷凛

言ってたじゃん、さっき。

篠崎望美

何があったのか知らないけど1人じゃつまらなくない？

深谷凛

そんな事ないよ。

深谷凛

みんなが楽しそうにしているところを私は見るが幸せだなーって。

篠崎望美

変わってるよ深谷さん。

深谷凛

そーかな。

深谷凛

篠崎さんの方が変わってると思う。

深谷凛

こんな私を助けて。

篠崎望美

友達なる？

深谷凛

え？

篠崎望美

そしたらお互い変わってない人になるんじゃない？

深谷凛

…………やっぱり､変わってるよ望美ちゃん。

篠崎望美

凛こそ。

篠崎望美

凛が学校に来ない理由って､お父さんが原因？

この言葉は私が1番聞きたくない言葉だった。

翌日私は学校に行った

お母さんには内緒で。

周りがザワザワしててうるさい。

大橋斗真

すごい注目されてんな。

篠崎望美

無理もないよ。

篠崎望美

あの顔が普通にいたら。

担任

深谷さん、ちょっと。

深谷凛

はい。

担任

どーして急に？

深谷凛

家に訪問してくれた2人のために。

担任

先生は､あなたに来てほしくないって望んでた。

深谷凛

また問題が起こるから。

深谷凛

でしょう？

担任

そうよ。

担任

あの時みたいなお父さんの問題が起きると

担任

めんどくさいのよね。

担任

みんなの記憶から消えてるくせに。

深谷凛

相変わらずですね先生も。

担任

さっさと早く不登校になりなさいよ。

藤田楓

なんなのあんた。

藤田楓

突然消えて､突然現れて。

藤田楓

何がしたいわけ？

木島優香

ほんとよ。まじ迷惑。

深谷凛

…………藤田さん､木島さん。

篠崎望美

あんたらさ､いい加減そーゆうの辞めたら？

篠崎望美

凛が何したって言うわけ？

大橋斗真

深谷さん、こっち！

深谷凛

ちょ、えっ？

深谷凛

なっ、なにっ！？

大橋斗真

……あっ、ごめん！

深谷凛

離して…

大橋斗真

ごめんって…。

深谷凛

あ、いや、私…男の人苦手で。

大橋斗真

過去に何かあったの？

深谷凛

うん、まぁちょっと…。

大橋斗真

大丈夫？

深谷凛

大橋くんは違うっていうの分かってるんだけどね。

大橋斗真

深谷さんってさ､学校来ない理由

大橋斗真

藤田たちに会わないため？

深谷凛

違う

大橋斗真

じゃーなんで？

深谷凛

大橋くんってさ､人が言いたくないってこと分かってるくせに

深谷凛

聞いてくるよね

大橋斗真

俺、欲張りなのかなー。

大橋斗真

でも､隠してるのって嫌じゃない？

深谷凛

言いたくないから隠してるんだよ？

大橋斗真

1人で抱える必要無いと思う。

深谷凛

お父さん

大橋斗真

え？

深谷凛

私が学校に行かない理由は

深谷凛

お父さんが原因なの。

1話終了です。

見てくださり､ありがとうごさいました。

次回も近いうちに出すので見てください。

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