刑事
目の前に、刑事。
クシャクシャになった髪とだらしなくシワのついたYシャツから
相当やつれているように見える
湊
刑事
刑事
湊
湊
刑事
湊
刑事
刑事
刑事
刑事
刑事
刑事
刑事
刑事
刑事
湊
湊
湊
何故だか目から涙が出てくる
刑事
湊
でも、この時の俺は 人生で1番の笑顔だった気がする
俺だって別に殺人鬼になりたかったわけじゃない
ドンッ
優子
ガンッ
優子
優子
ドカッ
優子
湊
湊
湊
湊
優子
優子
優子
湊
優子
優子
そういって優子さんは足早に教室を後にした
湊
湊
湊
あの時、なんで優子さんを 追いかけたのか 自分でもよく分からない
普段、あまり話さない子に 声をかけた自分に驚いた
優子
湊
湊
湊
湊
優子
優子
優子
湊
湊
優子
優子
優子
湊
優子
優子
湊
湊
学校から10分しかかからない家までの帰り道でさえ 長く感じた
湊
優子
優子
湊
湊
優子
優子
湊
湊
優子
優子
湊
優子
優子
湊
優子
優子
優子
優子
優子
優子
優子
優子
湊
湊
湊
優子
優子
優子
優子
湊
優子
優子
優子
優子
優子
湊
湊
彼女の目から 1粒の涙が流れた
偽りの無い、 悲しみに充ちた粒。
優子
優子
優子
優子
湊
優子
優子
優子
優子
気持ちを誤魔化すように 彼女は去ってゆく
湊
湊
翌日、 体育倉庫に連れていかれる 優子さんの姿を見た
その顔は、絶望的だった
湊
湊
優子
湊
ガンッ!!
湊
湊
湊
湊
湊
湊
湊
湊
優子
優子
湊
優子
優子さんの目は涙で真っ赤になっていた
でも
湊
彼女は笑顔を絶やさない
その理由が、おぞましくも 分からない
湊
湊
湊
湊
優子
優子
パンッ!
湊
優子
優子
湊
湊
湊
湊
湊
湊
湊
湊
バタンッ!
湊
湊
湊
湊
湊
優子
優子
湊
優子
優子
優子
優子
優子
彼女の顔を見て 昨日の会話がよぎった
「天使って、辛いの」
「天使はこの世に要らないの」
優子
湊
優子
優子
優子
彼女が必死に声を絞り出して 俺にねだる
湊
優子
湊
優子
優子
湊
湊
優子
優子
優子
優子
優子
湊
【悪魔】になりたい
優子さんはそれ程までに追い込められていたんだ
殺されることを望むくらい 苦しんでもがいていた
救えなかった
その思いに 胸をえぐられる
救えないのなら…
湊
湊
湊
優子
優子
湊
優子
優子
優子さんは笑顔だった
あぁ、神様は不公平だ
俺はナイフを持つ両手に 力を込めて、優子さんの息の根 を止めにゆく
優子
優子
湊
最期に優子さんが流した涙は 悪魔に相応しくない、儚くも 美しい涙だった
湊
刑事
刑事
湊
湊
湊
湊
もっともっと沢山の人を 【悪魔】にしたい
苦しんでいる【天使達】のために、俺は生きる
「本当の悪魔になりたかったな…」
…END…
コメント
15件
天使を救いたい、か。学校という閉ざされた空間で人間関係に悩むと、ツラいですね。 転校も、簡単には出来ないし。切ない話ですね。
可哀想
笑ってばかり.... この理由が分かり納得しました.... でも、本物の悪魔になりたい。という主人公....もう心が黒くなってしまったのでは内のでしょうか....?