〜とあるハロウィン〜
カー…ッ!カー…ッ!
「ねぇ〜もーいー?」
カラスが声を鳴らし、木々を揺らす
辺りが暗くなる中木々達に囲まれた大きな屋敷の一部屋に明るい声が響いた
パタパタと黒い羽を動かして飛ぶ上にツノを生やした青い少年
「まだダメだよ」
後ろにツノを生やした紫の少年は困ったようにクスクスと笑う
「霧が濃くなってきたね」
内にツノを生やした赤い少年は長く伸びた尻尾を揺らしながらカーテンを捲った
霧の隙間から見える月はいつもより大きく、輝いている
コツ…コツ…と近づく音が聞こえ、暫くして大きな扉が開かれた
「そろそろいい頃です」
現れたのは横にツノを生やした黄色い少年
「そう…じゃあ
立ち上がった紫の少年はパチン、と指を鳴らした
すると、何処からかコウモリが沢山集まって姿を表したのは2人の少年
それと同時に1つ、2つ、と鐘の音が聞こえてきた
いってらっしゃい」
ニッコリと、満面の笑みを浮かべた
「コーンコンっ」
街中がカボチャやコウモリ、ゴーストで飾られている
明るく可愛らしい声と共にノックをする
暫くして開かれたドア
顔を出したのは20代の女性
女性は赤と桃の少年を見て頬を赤らめた
「「お菓子をくれなきゃ
キラキラと輝く黄色と紫の瞳を女性に向けた少年は可愛らしい笑顔を見せ、 蒼い瞳を細く鋭い瞳を女性に向けた少年は薄っすらと笑みを浮かべた
悪戯しちゃうぞ」」
女性は慌てて家の中に戻って、帰ってくると幾つかのお菓子を持ってきた
「キャンディーはくれないの?」
2色の瞳をうるうるとさせた少年に女性は鼻血を垂らしながら1番大きな飴を渡した
「おねーサン、チョコもちょーだい!」
何処からか現れた青の少年が八重歯を見せながら笑顔で言う
もっともっと欲しい!と両手を前に出す少年だが、女性は申し訳なさそうな表情を見せた
「もうない……?
………それなら
少年達の可愛らしかった表情とは違い、何処か恐怖心を覚える笑顔と変わった
悪戯の餌食……ね…♡
おねーサン」
月が輝き、まだ灯の消えない街の一つの家から
大きな悲鳴が聞こえたが誰も知ることはない
「んしょ、」
「今年も大仕事やなぁ」
竹製の籠にいっぱいお菓子を詰めて パタパタと羽を動かして空を飛んでいる黄色と橙
周りのコウモリ達がにも一つずつお菓子が持たされていた
一つの家の屋根に足をついて地面に降りる
するとそれを見ていたのか1人の小さな女の子がドサ、と音を立てて地面にお尻をついた
それに気づいた黄色い少年はその子に近づく
女の子は怯えた表情で少年を見ていた
少年は手から黄色い光を出して黄色い薔薇を出し、女の子の髪に差した
そして1つ、お菓子を女の子の手に握らせて微笑んだ
「happy Halloween」
涙を流していた女の子はパチクリと瞬きをした後、ニッコリと微笑んでその場から去った
「さぁ、やりますよ」
しゃがんでいた体制を直して、一度伸びをした
橙の少年は優しく微笑んだ
「せやな」
長い夜の始まり
コメント
7件
やばやばのやばすぎました🥺 語彙力がほんとに消え去るぐらいちほんと神作すぎます😭お友達も上手いなんてほんとにすごすぎます😭
お友達もうまいなんて…😭まさに類は友を呼ぶですね! 言葉選びも、内容も、あえてメンバーの名前もメンバーも登場させないで色表記ってのが工夫されてて、とても大好きです😭