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こんにちは。雨衣(あまい)です。
初めてのチャット型ストーリーの作成をしたので、温かい目で見守ってください
コメントくるのが嬉しいのでぜひ感想をお願いします
くだらない事で笑ったり泣いたりすることは、俺にはもう、できないと思っていた。
授業中だというのに、教室は喧騒に包まれていた。
先生
生徒
生徒
そんな話が部屋中を行き交う
湊
当の俺も、専ら話なんて聞いていないのだけれど。
キーンコーンカーンコーン……
生徒
生徒の半分は終礼を待たずに教室を去っていく
担任
湊
数分後
キーンコーンカーンコーン……
先生
誰も返事を返さずに、残りの半分も教室を後にした
いわゆる学級崩壊
いや、学年崩壊かもしれない
湊
もう何度も思った事だ
今更何を言っても現実は変えられず
屁理屈を言うのは無駄だとわかっているけれど、そう思わずにはいられない
湊
そして、俺も教室を出た
最後に心から笑ったのはいつだろう
心から泣くことも、とうの昔に忘れてしまった
自転車に乗り、海沿いを走る
夏の始まりを感じる温度に背中が汗ばむ
湊
湊
ガチャ
湊
俺は古いアパートの角部屋に母親と2人で住んでいる
通気性は最悪。夏の室内は地獄だった
湊
ピッ、ピッ、と温度を下げる音と同時に、電気代がかさむのを感じた
引け目を感じたので、扇風機の風量を最大にし、床に横たわる
湊
湊
課題も家事も忘れ、俺は眠りについた
心地の良い夢を見ていた気がする
湊
湊
母
外は随分と暗くなり、お母さんは夕食を作っていた
クラッ
湊
夏になるとよく立ちくらみが起きる
治すことはもう諦めた
立ちくらみが起きたことをお母さんに悟られないように、わざと元気に言葉を放つ
湊
母
お母さんはくすくすと笑った
母
湊
ハンバーグなんて好きじゃ無いんだけどな
お母さんの中の俺は、本当の俺じゃ無い
きっと頭の中で、理想の息子が出来上がっているのだろう
笑顔が絶えず、子供っぽい料理が大好きな、健康で友達の多い息子
湊
心から笑えず、ハンバーグが嫌いで、不健康で友達なんて1人もいない
朝は頭痛から始まり、すぐにめまいが起こる
湊
心配をかけたく無いのか、自分でもよくわからないけれど、言えないのだ