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恋の終わりかた

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恋の終わりかた

17 - 第17話 しかけてしかけられて

2025年02月07日

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カヤ

ありがと、送ってくれて。

アキラ

こんな時間にカヤちゃん一人で帰すわけに行かないでしょ。

カヤ

……そうだね笑

アキラ

……。

カヤ

……今日は楽しかった。
誘ってくれてありがと。

アキラ

う、うん。
こちらこそ。

カヤ

……あたし、ずるい女だよね。

アキラ

……うん。

カヤ

答え出すの、もう少し待ってね。ちゃんとあたしの中で2人のこと考えてるから。

2人のこと、というのは僕とカヤの事だろうか それとも……。

アキラ

うん、わかってる

カヤ

じゃ、また。

アキラ

うん、またね。

そう告げるとカヤはマンションのエントランスに消えていった。その後ろ姿を見送ったあと、僕も帰路についた。

同日同時刻

カケル

あれから、一週間も連絡なしか……。

カフェでカヤに伝えたこと カヤの好きの価値観 俺の気持ち どれも間違っていなかったと思う

それでも俺は、試されているような気がして胸騒ぎがどうにも静まらなかった

カケル

ま、俺からアクション起こしてねぇんだし。

カケル

当然ちゃ当然か……

きっと、臆病になっているんだろう カヤに答えを出してもらうのを望みつつ 心のどこかでは答えが出ることを恐れて 前へ踏み出せない俺がいる

前向き、竹を割ったようと評されることの多い俺だが、その内実9割は当たっていると思う。残り1割の後ろ向きな俺が一歩一歩を塞き止める。

カケル

……。

カヤに会いたい けど、会ってどうする 何が変わる、何を変えられる

進まなきゃ変わらない けど、そのどれもがいい変化とも限らない 柄にもなく、腰が引けてしまっている

カケル

……まだ何も終わってねぇじゃねぇか。なんも始まってねぇよ。

そう。そう思う。 けれど、始めるためにすべきことが分からない。すればするほど下手になる恋。 若気の至りとはよく言ったもので、少し大人になったかと思えば、蛮勇とも呼べる勇気も今はこの手のひらに残りカスほど余っていない。

カケル

……。

迷った俺はカヤに電話した

カケル

不在着信

不在着信

カヤ

あれ?カケルからだ。

カヤ

どうしたんだろ

あたしは電話を折り返した

カヤ

もしもし〜
どしたの〜?

カケル

『いや、どうしたってわけじゃないんだけど』

カヤ

……?

カケル

『……。』

カケル

『あれからどうだよ』

カケル

『好きの答えとやらは見つかったのか?』

カヤ

うーん、まだわかんないけど

カヤ

ちょっとだけ前に進んだと思うよ

カケル

『そうかよ』

カヤ

……?
聞かないの?

カケル

『……。』

カケル

『いや、まだ出てねぇんだろ。また出た時に聞くよ。』

カヤ

ふーん

カヤ

へんなの

カケル

『うるせぇ……。』

カヤ

ふふっ

カケル

『……今から出れるか?』

カヤ

えー?

カヤ

今帰ってきたばっかだから明日でもいいかな

カケル

『なんだ、出かけてたのか』

カヤ

……うん、ちょっとね。

カケル

『…あいつか?』

カヤ

……まぁそんなとこ

カケル

『……そうか』

カヤ

あれあれ?
こっちも聞かないのー?

カケル

『他人のイチャコラ聞いてなんも思わねぇほど俺も出来た人間じゃねぇからな。』

カヤ

そうだね笑

カケル

『なら、明日夜少し連れ出すけど構わないか?』

カヤ

うん、いいよ

カヤ

楽しみにしてる

カケル

『……あぁ。ありがと』

そう言うとカケルは電話を切った

カヤ

……変なカケル!

カケル

っクソ〜!!!

カケル

あいつやっぱり仕掛けてやがったか!

考えてみればわかることではある しかも別に咎めることでもない けれど、なんとなくモヤモヤとした気持ちとこれが純粋なヤキモチに他ならない事を俺は気づいていた。

カケル

……。

カケル

むしろ、こっちも仕掛けてみるか

俺は置いたスマートフォンを再び開くと カヤにメッセージを送った

カケル

『なぁ、あいつのSNS教えてくんね?』

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