ふわぁ…朝だぁ〜
ん…でも暗い…?
あたしもしかして夜に
起きちゃったかな?
そういえば昨日はみんなの前でショーをして楽しんで朝比奈センパイが
襲われそうになったところを助けてくれて…あれ?
それでどうなったんだっけ?
ちょっと待って…あたし、
今どこにいるの!?!?!?
えむ
!?

最悪のタイミングでドアが開いた
もしかして悪い人!?!?
あたし殺されちゃう!?!?
類
おや、えむくん起きたんだねおはよう

えむ
る、類くん!?

えむ
類くんなんでここにいるの?

類
うーんそうだね…逆にえむくんはなんでここにいると思うかい?

えむ
え…

えむ
うーん…あたし昨日…司くんたちに裏側に呼ばれて…急に視界が…ん…?あたしもしかして………襲われたの!?類くんに!?!?じゃあ類くん悪い人!?!?!?

類
そんなに慌てて動くと手錠や鎖がかかっているから危ないよ

類
あと…僕だけではないね…

えむ
え…?じゃあ他の人もいるの!?

類
あぁ…ちょっと待っててね呼んでくるよ

類くんがあたしを閉じ込めたの!?
他の人って誰???何人いるの?
あたしもう
お姉ちゃんたちに会えないのかな…
そう、色んなことを考えたうちに
ドアがまた開いた
えむは怖く震えながら待っていた
えむ
…?

えむ
え、ちょ、ちょっと待って…みんな…どういうこと…?

司
えむ…すまない…そりゃびっくりするよな…えーっとなんて言うか…説明が難しいのだが…

寧々
えむはここのみんながえむのこと監禁したって言ったらどうする?

えむ
え!?!?か、かんきん!?!?でも…なんで!?!?

類
みんながえむくんの事が好きすぎて監禁したくなったんだ…もちろん最初は言い合いにもなったよ…でもみんなでえむくんを愛し合うのもいいなと思っていてね…

えむ
つ、つまりあたしは殺されるんじゃないってこと?

類
フフっそんなことしないよ

えむ
そっかそれなら良かっ……いやいや!よくないよ!!お姉ちゃん達にはもう会えないの!?!?

寧々
うん、会えないね…一生、でもその代わり私たちがいるから…安心して

えむ
ゔぅ…で、でも…

司
とりあえず大人数いるとえむも怖がるだろう…一旦出てくれ…

咲希
お兄ちゃんたちだけずるいよ!

司
咲希も後で話せる時間はあるから…今はえむを怖がらせないためだ

咲希
お兄ちゃんのケチ〜!!!

司
はぁ…まったく…

えむ
司くんたちもあたしのこと好きなの?

寧々
うん…好きだよ、変かもしれないけど…

えむ
ううん…全然変じゃないよっ!!!

寧々
え…

えむ
素敵な事だと思うんだ〜でもね…あたしは『恋』っていうのをまだ分からないから、今はみんなの中から決められないんだ…ごめんね…

寧々
ううん…大丈夫…じゃあ私が『恋』っていうのを教えてあげる

えむ
ほぇ…?

寧々はえむに近づき…
手錠や、鎖がかかっていて
何も動けないえむを利用し、
えむの唇を食べようとした…
…が
寧々
ちょっと…!何すんの!?

類
寧々、僕たちのこと忘れていないか?

寧々
うん、影が薄くて忘れてた

司
それはひどいぞ!っていうか…監禁されたばっかりのえむにいきなり口付けは良くないだろ

寧々
はいはい、そうですね…って、あんたもしたいんでしょ、どうせ

司
なっ!!?あぁそうだ!したくて何が悪い!?

寧々
誰も悪いなんて言ってないけど?あんた耳大丈夫?

司
はぁ!?!?!?

正直こういう2人を見るのは
初めてではなかった…
だが、いつもより怖い感じがして
震えが止まらない
思わず近くにいた類の袖を引っ張った
類
…?おや、どうしたんだい?えむくん

えむ
ほ、本当にもうお姉ちゃんたちには会えないの?

類
あぁそうだね…ただもうこれ以上は僕たち以外の人のこと言わない…いや、考えないでほしいよ

えむ
で、でも…

寧々
えむ、類が怒ることなんてあんまりないから…これ以上言わない方がいいよ

えむ
ご、ごめんなさい

『いつものみんなじゃない』
そう言いたかったけどこれ以上
言ったら乱暴にされる確率も
なくはない…
司
今は慣れてないかもしれんが、何ヶ月か経てばきっとオレたちのことしか考えられなくなる…いや、絶対にそうさせるけどな…

司くんも寧々ちゃんも類くんも
ショーの時の顔じゃない…
あ、あたし…どうなっちゃうの…
司
じゃあそろそろ呼ぶか…

類
そうだね

司
咲希、入ってきていいぞ

咲希
は〜い!!!!えむちゃんわんだほーいっっ!!!!

えむ
ふひゃっ!

司
そんなえむみたいなハグしたら危ないだろ…とは言い、相手はえむだが…

穂波
え、えむちゃん、手錠とか鎖…痛くない?大丈夫かな…?

みんな普通みたい…
だけどやっぱり何かが違う…
本物の笑顔じゃない…
えむ
だ、大丈夫…

一歌
それならよかった…!

愛莉
今は怖いと思うけど後から慣れていくから大丈夫よ!

えむ
あ、あたし…慣れるのかな…?

こはね
う、うん!慣れるよきっと!もう、えむちゃんの素敵なショーは見れないけど私はえむちゃんとずっと一緒にいれるから嬉しいな…

えむ
そっか…ショーもできないんだ…

えむ
み、みんな…ごめんなさい…やっぱりあたし、みんなを笑顔にできない生活は好きじゃないかな…あたしは司くん達と楽しいショーをやって、家に帰ったらお姉ちゃん達と楽しく会話して、そんな生活がいいな…

えむ
だ、だから…て、手錠を外してください…

みんなが怖い顔をしてるけど
あたしはちゃんと本心を伝えた
えむ
み、みんな…?

寧々
分かった、じゃあこれ

えむ
え…?な、ナイフ…!?や、やっぱりあたし殺されちゃう!?!?

まふゆ
痛いのが嫌なら言って大丈夫だよ鳳さん、薬もあるから

えむ
え…

司
えむがここから逃げるくらいならオレたちは死んだ方がマシだ…だが、オレたちが先に死んだらえむをトラウマにさせてしまうからな…せめてえむから……

えむ
ひぃっ!あ、わ、わかった…に、逃げるのは嘘だから…死なないでっ!!!

類
それは本当かい?

えむ
う、うん!逃げないから…みんなのいつも通りの笑顔が見たいかな…

司
そうか…はは、えむらしいな…だが、えむが逃げないように手錠はずっと付けるが大丈夫か?

えむ
う、うん!大丈夫!

寧々
いつも通りのえむに戻ったみたいだね、よかった

愛莉
ただ少し震えてるわね、大丈夫、わたしたちは何も怖いことしないわ

これがいわゆる『愛に狂う』って
いうやつなのかな…?
そう思い、えむはみんなに笑顔を
見せながらも怖く感じ
何か逃げる方法はないか
探していたが………