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銃を持った男
華子
彼は私の腰を後ろから掴むと ひょい、と肩に担ぎ上げ 割れた窓ガラスへと歩み出した。
華子
私の言葉に耳を貸す様子もなく、 彼は窓際までやってくると そのまま座席に足をかけ外をうかがう。
焦げ付くような異臭が、鼻をかすめる。
そこには赤い霧がかかった 不気味な空間が広がっていた。
華子
華子
銃を持った男
華子
銃を持った男
銃を持った男
銃を持った男
銃を持った男
華子
彼は両腕で私を持ち上げ、 大きく振りかぶった。
三白眼の男
銃を持った男
三白眼の男
銃を持った男
華子
華子
まるで荷物のように投げ捨てられ、 私は座席に座り込む。
華子
三白眼の男
三白眼の男
三白眼の男
三白眼の男
銃を持った男
銃を持った男
三白眼の男
銃を持った男が 隣の窓ガラスを殴りつける。
三白眼の男
粉々になった破片を素手で拾い上げ、 彼は窓枠を飛び越えると そのまま濃霧の中へと消えてしまった。
華子
三白眼の男
車内に残った男は、大きく欠伸をすると 今度は姿勢を正し、両膝を 床に落とした。
男は横笛を手に取り、 ひとつ、ふたつと音符を吹き響かせる。
華子
どこからともなく、 雨霧の香りを感じた次の瞬間……
がぼっ、と口から気泡が漏れる。
私はいつの間にか、水の中にいた。
華子
華子
車内アナウンス: …ございました。
車内アナウンス: 間もなく、終点。新橋、新橋です。
聞き馴染みのあるアナウンスで 私は我に返る。
何故か外は明るいけれど、 ここは間違いなくいつも通りの 電車の中。
華子
華子
三白眼の男
華子
振り返った拍子に 足がもつれて視界が傾く。
三白眼の男
華子
咄嗟に体を支えられ、 なんとか転ばずに済んだものの 右足の痛みはまだ残ったままだ。
華子
三白眼の男
華子
三白眼の男
華子
彼は手に持っていた小さな瓶から マッチを一本取り出し再び火を点けた。
三白眼の男
華子
私の答えが気に入らなかったのか 彼は眉を寄せながら 真剣な表情でこちらを見ている。
三白眼の男
また、火が吹き消された。
華子
華子
理解不能な出来事の連続と 未だに痛む右足への不安に 私はひとまず深呼吸する。
華子
三白眼の男
華子
華子
華子
三白眼の男
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