桃赤
レントリリー
あれから桃は変わってしまった
あまり笑わなくなったし
あんなに大好きだったサッカーもやめ
勉強ばかりするようになった
赤に会いに行かなかったことを
相当後悔して追い詰めているようで
あかいろの物を見つけると
魂が抜けたようにぼーっと見つめている
橙
あの日
帰ってきた桃と話した
桃
桃
彼は自分を嘲笑うかのように
泣きながら俺に笑いかけた
そして頭を抱えて泣いた
桃が泣くところを見るのは
中学のサッカーの試合で負けた時以来だった
橙
橙
橙
橙
あの時
なんて声をかければ良かったのだろう
桃は悪くないから?
赤は大丈夫だよ?
そんな確信のないこと
軽々しく言えるわけなかった
ただがむしゃらに泣く親友の
傍にいることしか出来なかった
そして
赤の手がかりは掴めず
季節は巡っていった
俺は無事に医学部のある大学に合格
これで
何か赤への手がかりが掴めるかもしれない
あれから思い当たるところをどんだけ探してみても
何もなかったから
一筋の光を見つけた気分だった
教授
俺は大学のサークルで
医者達の見学にきていた
教授の話に耳を傾けながら
ふと目の前を
青い髪の青年が通りかかったのを見た
桃
涼しげな横顔は
確かに彼だった
俺は見失わないように
そっと講習を抜けた
追いかけていると
彼が個室に入っていくのを見て
慌てて声を張り上げた
桃
サラサラな髪がふわりとなびき
彼がびっくりしたように振り返った
青
あれから青さんは講習が終わったら外で待ってて
と言うので
病院近くのカフェテリアで
待ち合わせする事になった
しばらくすると青さんが出てきた
青
桃
青
青
桃
俺が素直に頷くと
少し安心したように
彼は車の鍵を出した
青さんの車に乗せてもらい
数十分走ったとこで
車は止まった
青
目の前には結構大きな家
青さんが車を降りて鍵を開ける
俺も震える足で降りると
ゆっくりその家に足を踏み入れた
桃
青
青
リビングへ行くと
俺は膝から崩れ落ちた
そこには
赤の
仏壇があった
満面の笑みで笑っている赤の写真
いちごのショートケーキが備えられていて
その横には
大人2人と
小さな子ども2人が
仲睦まじく
笑っている写真
それは何故か
ヒビが入っていた
他にも
赤や青さんの幼い時の写真が沢山
辺りを見回すと
4人がけのテーブル
埃を被った大きなテレビ
ソファには可愛いぬいぐるみ達
長い間使われていない
綺麗なキッチン
桃
青
桃
桃
桃
桃
桃
桃
受け入れられず
歩き回る俺に
青さんは静かに言った
青
桃
桃
青
青
青
青
死んだんだよ
死んだ
死
その言葉が
俺の頭の中で拒否反応をする
桃
青
その場にうずくまって
泣き崩れる
「じゃあ桃ちゃんね」
「俺....ダメだった」
「桃ちゃん頑張れー!」
「桃ちゃん....ありがとう」
「桃ちゃんは優しいね」
「え?桃ちゃん照れてるw可愛いねぇw」
「....いつもみたいに、//ぎゅってして?」
「ぁ//....んん、や//....」
「桃ちゃん好きだけど、嫌い....」
「んふふw桃ちゃんの匂いする」
「馬鹿っ!//」
「俺達、そろそろ別れない?」
「....おそろい....ね?」
「俺?おれはぁ....身長が欲しいぃぃ!」
「じゃ....このままでいい....」
「好きでたまらなくて....苦しい」
「おたんじょーび....おめでと//」
「....死んだら人は....星になるのかな」
「桃ちゃん....俺、寂しくないよ」
「だから心配しないでね」
「....大好き」
君の声を
言葉を
儚げな瞳も
真っ白な肌も
華奢な体つきも
サラサラの髪も
満面の笑顔も
顔を真っ赤にして恥ずかしがる仕草も
怒ると叩いてくるくせに
全然痛くない所も
「桃ちゃん」
俺の名前を嬉しそうに呼んでかけよってくる所も
全部
全部
こんなにも
覚えているのに
どうして....
どうしてっ....
君は居ないの....?
桃
自分の無力さと
後悔と
ごちゃごちゃになって
俺はしばらく泣いていた
泣いている俺を
青さんは優しく
背中をさすってくれた
うわぁぁぁぁぁぁぁぁ! 続き皆さん楽しみにしてくれてたのに こんな感じになってしまって申し訳ない
コメント
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うわぁぁぁ(´•̥ω•̥`) ヤバい…お話の作り方上手すぎて涙腺が死にました…😵💫
♡1234!w