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デザイナー

第2話 - 2針目/動き出す針

470

2025年08月27日

#司類

#冬彰

あかまる🍓🐾໊

週末

類

(二人でお買い物って…デート、だよね、)

類

(まぁ、司くんは微塵もそんな意識無いだろうけど…)

類

(いつもより気合い入れて髪型とか変えてみたけど、変じゃ無いかな…)

類

(ち、ちょっと緊張してきた…)

司

おぉ、類！！待たせてすまん！

類

！

類

う、うん！おはよう、司くん。

司

おはよう！その髪型、物凄く似合ってるな！

類

ほ、本当？！

司

あぁ！祭りの時も、少し髪型弄っていいか？

類

も、もちろん！

類

(司くんに褒められた…！！)

司

よし！早速見に行くぞ！

類

うん！

生地屋

類

へぇ、こんな所に生地屋さんあったんだねぇ

司

ここ、オレの行きつけなんだ。いい生地の品揃えが良くてな！

類

ふふ、そうなんだ。

司

反物は……奥か。

司

類、どんな柄がいいとかあるか？

類

う〜ん……

類

司くんが1番、僕に似合うと思った柄…かな。

司

む、オレが決めていいのか？

類

うん♪

司

任せてくれ！！

司

類に似合う生地を見つけるのは得意なんだ！

類

ふふっ、よろしくね。

司

ふむ……この桐柄、綺麗だな。

類

おや、可愛いねぇ

司

こっちの露芝も捨て難いな…

司

(類に1番似合うもの……)

司

桜もいい…

類

…さっきから、植物柄ばかりだね？

司

む、お前花好きだろう？

司

どうせなら、そういう柄がいいと思ったんだが…

類

そ、そうなんだ…！

司

む、もしかして違う柄の方が良かったか？！

類

ううん！そんな事無いよ。

類

ちゃんと僕のこと考えてくれて、嬉しいなって思っただけ。

司

当たり前だろう。類が着るものなんだから。

類

ふふ、うん。そうだね。

司

うむ、これにしよう！

類

おや、桐柄かい？

司

あぁ！

司

桐柄は高貴さを意味するし、桐の花は紫色だ。

司

意味も柄も、類にピッタリだろう！

類

ふふっ、いいねぇ。嬉しいな。

司

もう1つ、無地の生地が欲しいところだな…

司

(この桐柄は薄紫と白ベースだから、これに合うのは…)

司

(ふむ、同系色でまとめるか、類似色にするか……)

司

(類とこの生地に合うのは…)

司

……よし、これにしよう！

類

おや、紫苑っぽい色だね。

司

雰囲気的に、同系色の方が似合いそうだからな。

司

あとは帯か。

司

(帯は…無地のネイビーで全体を引き締めるか。)

司

(いいや、補色の黄色もいいな…)

司

(むむむ……大人っぽいのはネイビーか…)

司

(……どっちも似合いそうで決まらん！！)

司

類！この黄色とネイビーだと、どちらの方が好みだ？

類

……黄色かな。

司

そうか！なら帯は黄色にしよう！

類

あ、生地代は出させて。

司

むっ、別に気にしなくていいんだぞ。

類

作ってもらうんだから、このくらいはさせて欲しいな。

司

そうか。なら有難く受け取ろう！

司

さて……ラフも出来上がったことだし、

司

採寸してもいいか？

類

採寸？いいよ。どこまで脱げばいい？

司

出来れば肌着までだな。

類

肌着ね、了解。

類

(……別に、お風呂も一緒に入ったことあるから、見られるのはいいけど、)

司

じゃあ測るからな。

類

うん。

類

(近い〜〜……！！)

類

(って、ダメだ！司くんは真剣なのに…！)

類

(うぅ、でも意識しちゃうよ……)

司

お前本当に足長いな…

類

そ、そうかな？

司

あぁ。細いし…ちゃんと食べてるのか？

類

た、食べてるよ。

司

むぅ、相変わらず羨ましいスタイルだ…

類

(近い…！)

類

(な、なんとか終わった……)

司

ありがとう、類！これであとは作るだけだ！

類

あぁ、うん。こちらこそ。

類

ねぇ、ちょっとラフ見てもいい？

司

あぁ！確認してくれ！

類

(わっ、すごい色々書いてる…)

類

って、ここに「手縫い」って書いてあるけど…？

司

あぁ、今回は全て手縫いで作るぞ。

類

えっ？！ミシンじゃないのかい？！

司

ミシンだと、生地が傷んでしまうからな。浴衣は手縫いがいいんだ。

司

祭りまで1ヶ月あるし、間に合うと思う！

類

へ、へぇ……！手縫いで…！

類

(……そういう所が、本当…好きなんだよね。)

類

(嬉しいなぁ…)

司

今から作るから、しばらく構ってやれんが…いいか？

類

うん。僕のことは気にしないで。

類

(ふふっ。近くで作ってる所が見れるの、ちょっと嬉しいね。)

類

(楽しみだな…♪)

咲希

お兄ちゃ〜ん、夜ご飯…

類

あ、お邪魔してます。

咲希

わっ！類くん来てたんだ！

咲希

言ってくれたらお菓子とか出したのに〜！

類

ふふ、お構いなく。

類

司くん、今ちょっと集中してるみたいなんだ。

咲希

へぇ！今度は何作ってるの？

類

ふふっ、僕の浴衣だよ。

咲希

！

咲希

…そっか！！楽しみだね！

類

うん♪

咲希

(……良かったね、お兄ちゃん！)

咲希

類くんもご飯食べてってよ！

類

おや、いいのかい？

咲希

うん！お母さんに言っておくから、あとで降りてきてね！

類

分かった、司くんとあとで行くよ。ありがとう。

1ヶ月後

司

……よし、出来たぞ！

類

わぁ……！君、着付けも出来るんだねぇ

司

ふっ、まぁな！

司

着心地はどうだ？

類

凄くいいよ。涼しくて丈も丁度いいし、動かしやすい。

司

それは良かった！

司

やはり……うむ！！物凄く似合っているぞ！

類

ふふっ、ありがとう。

類

僕もこれ、すごく気に入ったよ。ずっと大事にするね。

司

それは嬉しいな！

類

早くこれで外歩きたいな〜〜

司

祭りは来週だったか。もう夏休みにも入ったし、あっという間だな。

類

だねぇ

司

はっ、そういえば課題も全く手をつけてない…！！

類

大丈夫、同じだよ。

司

これはいかんぞ！！類、また勉強会もしよう！

類

ふふ、うん。いいよ。

1週間後

類

(これは…お祭りデート、だよね。)

司

類、歩きづらくないか？

類

うん、大丈夫だよ。

咲希

あっ、お兄ちゃんと類くん！

司

おぉ！咲希！！

咲希

わ〜〜！！類くん、すっごく綺麗！

類

ふふ、ありがとう。

類

咲希くんも、その浴衣似合っているね。新調したのかい？

咲希

うん！友達とお揃いなんだ〜！

類

(お揃いか…)

咲希〜！

咲希

あっ、はーい！

咲希

じゃあ、2人ともまたねっ！

司

あぁ！転ばんように気を付けるんだぞ！

司

しかし、1日目なだけあって大盛況だな。

類

そうだねぇ。

類

…ねぇ、司くん。

司

む？

類

今年、他に誰かとお祭り行く約束してる？

司

いいや、類だけだが…何故だ？

類

ううん、気になっただけ。

司

というか、毎年お前としか行ってないだろう。

類

ふふっ、そうだね。

類

(今年もまだ、大丈夫か…)

類

(…いつまで、幼なじみって立場に甘えていられるかな。)

司

おぉ、類！たこ焼きだぞ！

類

ふふっ、いいね。ネギ抜きをお願いしようかな。

司

お前……そろそろ野菜も食わんか。

類

僕が野菜を食べる日なんて、きっと未来永劫来ないよ。

司

いいや！責任持って、いつか必ず食べられるようにしてやるからな！

類

無謀だと思うねぇ

類

(それにしても……本当に、人が多いな。)

類

(……逸れないようにって口実で、手繋いでみてもいいかな…)

類

(小さい頃はよく繋いでたし、いい…よね？)

類

(……い、一か八か…！)

ギュッ

？

類

？！

類

(ま、まま、間違えた？！)

類

す、すみませんっ！間違えました！！

あぁ、大丈夫ですよ。

類

(本当に申し訳ない……というか、すごく綺麗な人だな…)

類

(浴衣もすごいオシャレ…！こんなデザインあるんだ…！)

その浴衣、綺麗ですね。

類

えっ？！

類

あ、ありがとうございます！

あ…友人を待たせているので、失礼します。

類

えっ、あ、

類

(あ、貴方のも綺麗ですねって、言えなかった…)

類

(……けど、浴衣褒められたの嬉しいなぁ)

司

おいっ！類！！

司

全く、突然いなくなるんじゃない！心配したんだぞ！！

類

あ、あぁ。ごめんね。

司

ほら、行くぞ。

ギュッ

類

？！

類

て、手…

司

？

類

いや…なんでもないよ。

類

(すごいなぁ、何の躊躇いもなく簡単に…)

類

(まぁ、意識されてないし当然か。)

類

相変わらず盛大だねぇ

司

あぁ、綺麗だな！

類

(この花火も、あと何回一緒に見られるかなぁ)

司

来年は花火柄の浴衣もいいな。

類

！

司

金魚も中々類に似合いそうでは無いか？

類

ふ…ふふっ、来年も作ってくれるのかい？

司

あぁ。どうせなら、色んな類が見たいからな。

類

そっかぁ…

類

(この先もずっと、一緒にいるのが当たり前みたいに話すなぁ)

類

(…まだ、心配しなくても良さそうだね。)

類

ねぇ、来年は司くんとお揃いの浴衣がいいのだけれど。

司

むっ、オレと？たしかに自分の服は作ったことが無いな…

司

だが、類が言うのなら、来年はそうするか。

類

ふふっ、楽しみだよ。

司

おぉ、次で最後の花火みたいだな。

ヒューー

ドォォンッ

司

花火も終わったし、そろそろ帰るか。

類

うん、そうだね。

ズキッ

類

(慣れない草履履いちゃったからかなぁ…)

類

(鼻緒の所が痛いけど…もう帰るだけだし。)

ズキッ

類

司くん、楽しかったねぇ

司

あぁ！また来年も楽しみだ！

類

ふふ、僕もだよ。

類

そういえば、この浴衣って本当に貰っていいのかい？

司

もちろん。類に作ったものだからな。

類

ふふ、宝物が増えてしまったよ。

類

母さんにも見せたんだけど、物凄く喜んでいてね。司くんのことも褒めちぎっていたよ。

類

今度お礼させて欲しいって言ってたし、また家にも来てね。

司

あぁ、類の家が良いのなら構わん。

司

…が、お前何か隠してるだろう。

類

えっ

司

お前がよく喋るのは、大体何か隠してる時だからな。

類

そ、そんな事ないよ。

司

ほら、目を合わせないじゃないか。

司

どうしたんだ？

類

…

類

大したことじゃないんだけど、少し足がね。

司

足？

司

なっ、血が出ているぞ！！？

類

慣れない草履を履いたからかなぁ

司

ぐっ……気付いてやれなくてすまない！！

司

類、乗れ！家まで送ろう！

類

えっ？！

類

い、いや、乗れって…？

司

そのまま歩くと悪化するだろう。家まで背負っていく。

類

？！

類

いや、僕重いから…！

司

類1人くらいは問題ない！オレの足が痺れん内に乗ってくれ！

類

ほ、本当に大丈夫…？

類

ごめん……重いよね。

司

まぁ、軽くは無いが、問題ない。

類

(まさか、背負ってもらえるとは…)

類

(心臓の音、聞こえてないかな…)

司

もっと早くに気付いてやれなくてすまなかった。

類

い、いや。僕が言わなかっただけだよ。

司

次からは、異変を感じたらすぐに言ってくれ。

司

絶対に我慢はするな。いいな？

類

うん…分かった。

司

ならばよし。

類

(あぁ……時、止まらないかなぁ…)

類

(もう少しだけ…このままで、)

この作品はいかがでしたか？

470

5件

ああ、お似合いすぎるはよくっつかんかな〜冬弥くん出てきたから彰人くんもいるのかな？続き楽しみにしています

両片思い！？それとも片思い！？個人的には司は気持ち隠してる両片思いであって欲しい、、、冬弥がいるってことは彰人もいると思うからそこの絡みも楽しみ！続き楽しみにしてますれ

あかまる🍓🐾໊

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