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nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 警察官パロ⚠️ 黄様若干翠様に嫌われ⚠️ 敬称に違いあり⚠️ パクリ禁止⚠️
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17,沈黙の檻、再会の光
病室の天井を見上げながら、須智は静かに息を吐いた。
白い蛍光灯が、瞼の裏にまで滲む。
微かな熱と倦怠感。
数日間の体調不良はようやく落ち着いたが、身体の芯にはまだ鈍い重さが残っていた。
医師は「無理をしないこと」とだけ告げ、職場復帰を許した。
その日、須智は久しぶりに刑務所へ戻った。
朝の廊下を歩く。
足音が響く。
以前より、空気がわずかに違う気がした。
見慣れた冷たい表情が、みなどこか温かく人間らしくなっているような気がする。
だが須智は深く考えず、軽く挨拶を返して牢獄へ向かった。
――日常の風景。
けれどその“日常”が、妙に遠く感じる。
鉄扉を開けると、いつもの独房の中に、美琴が座っていた。
木の椅子に腰掛け、窓の外を眺めていた彼は、須智の気配に気づくと、ぱっと顔を上げた。
声に心配の色が混じっていた。
須智は少し戸惑いながらも、短く答える。
美琴は安堵の笑みを浮かべる。
その笑顔は、あの頃と変わらない。
無邪気で、まっすぐで、心の奥を揺らす。
須智の胸が、きゅう、と痛んだ。
“弟”のように思っていた存在に、ずっと嘘を吐き続けてきた。
――俺は、いつまでこんなままなんだろう。
素直になれない。
言葉にできない。
罪悪感が、静かに胸を締めつける。
その微妙な変化を、美琴は見逃さなかった。
首を傾げ、困ったように笑う。
その瞬間、須智は息を呑んだ。
目を伏せたまま、込み上げてくる感情を押しとどめようとした。
けれど――堰が切れたように、涙が零れた。
小さな声だった。
それでも、牢の中にいた全ての時間がその一言に溶け込んでいた。
美琴は一瞬驚いたように目を見開き、それから柔らかく微笑んだ。
須智は、嗚咽をこらえながら頷いた。
言葉にならない想いが、涙に変わって頬を伝う。
美琴も目尻を拭いながら笑った。
須智は顔を拭い、深く頷いた。
短い返事。
その声の奥には、懐かしさが滲んでいた。
美琴は立ち上がり、静かに歩み寄る。
扉を出た瞬間、須智はふと、胸の奥に微かな光を感じた。
談話室に着くと、須智は扉を閉めた。
とたんに、時間が止まったような静けさが訪れる。
窓の外では風が唸り、白い雲が低く流れていた。
美琴の声が柔らかく響く。
須智は少し息を詰めたあと、「そう、だね」と答えた。
美琴の視線が須智を見つめる。
どこか、少年の頃の面影を残した瞳。
須智はその目を正面から見つめ返し、ゆっくりと口を開いた。
美琴は慌てて手を振った。
須智は微かに笑い、「……そうかもね」と呟く。
だがすぐに真剣な表情に戻り、
と言った。
美琴は驚いたように目を瞬かせ、それからゆっくり頷いた。
須智は短く笑って、「そうだね」と答えた。
美琴の声は弾んでいた。
まるで絵本を読んでもらう子どものような笑顔。
須智はその姿を見て、小さく笑った。
あの頃と、何も変わっていない。
懐かしさが、胸の奥を優しく包み込む。
――そうして、すれ違っていた歯車が静かに重なっていく。
談話室の壁にかかる時計が、淡い音で時を刻む。
光が差し込み、埃がきらきらと舞った。
須智は目を細め、静かに息を吸い込む。
須智は心の中で呟いた。
その想いに呼応するように、美琴が笑った。
須智は小さく頷き、視線を窓の外へ向けた。
曇り空の隙間から、一筋の光が差し込む。
その光が、美琴の頬を淡く照らしていた。
――懲役百年の檻の中で、それでも人は、誰かを想うことができる。
須智はそう信じた。
そして、語り始める。
自分の過去を。
彼と“兄弟”のように過ごした日々を。
17・了
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡180
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コメント
4件
みこ「ちゃん」呼びしたときに一気に温かさが出た気がする感動
ついにお互いのことが明らかに!? 次回が楽しみすぎます😭💕