ピピピ…ピピ
カチッ
私
私
無機質に鳴る機械音が朝の訪れを告げる
カシャッ
私
窓に向かってもう一度わざとらしい欠伸をする
私
今日も始まる私の一日
ピッ
ニュースキャスター
私
まだ7月の中旬
私
テレビから流れる朝の情報番組を横目に朝食の支度をする
私
私
私
私
私
私
ドタドタドタ
何も考えずテレビを眺める時間はあっという間に過ぎる
私
誰もいない家にそう呼びかけて家を出るのは私の日課だ
レトログリーンと呼ばれるであろう自転車にまたがり
私
そして漕ぎ始める
右手には田んぼ左手には雑木林
まさにキングオブ田舎である
蝉
蝉
私
私
早すぎる梅雨明けとともにやってきたのは夏の知らせだった
私は首を傾げながらハンドルを強く握る
私
私
幼児がクレヨンで絵を描くように今年の『テーマ』となる『色』を決める
私
私
ガシャン
私
突然だった
何が起こったかさっぱり分からなかったが、
目の前に尻もちをついている男の人がいることで事故ったことだけは理解出来た
私
私
眼鏡をかけた男の人
眼鏡をかけた男の人
眼鏡をかけた男の人
私
私
私
眼鏡をかけた男の人
眼鏡をかけた男の人
眼鏡をかけた男の人
眼鏡をかけた男の人
眼鏡をかけた男の人
私
眼鏡をかけた男の人
眼鏡をかけた男の人
私
私
眼鏡をかけた男の人
私
眼鏡をかけた男の人
差し出されたのはハンカチと絆創膏だった
私
眼鏡をかけた男の人
眼鏡をかけた男の人
眼鏡をかけた男の人
私
背中を向けたままヒラヒラと手を振る男の人
私
私
嵐のような出来事は
嵐のように去っていった
私
私
それだけ
私
たったそれだけの事
でもそれだけの事が
私の未来を動かした
私
私
私
私
早すぎる夏の1ページ
最初の『色』は
私
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
コメント
2件
続編投稿して頂きたいくらいこの物語大好きです.ᐟ 主さん物語書く才能有りまくりですね.ᐟ