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隣で眠る少女のような者の髪に、 そっと指を通した。
相手は寂しそうに俺の服の袖を 掴んでいる。
ハルト
何杯かお酒を飲み交わしても、 コガネの目は虚ろなままだった。
ハルト
コガネ
ハルト
コガネ
ハルト
ハルト
コガネ
コガネ
コガネ
ハルト
言わなくていい、 そう伝えるように制止した。
爺さん、コガネはまだ弱い。
体は23に育っても、 心は10歳で止まってるんだ。
誰もその先を教えてくれなかったから。
ハルト
あの後、コガネは俺を ベッドに投げつけて、 抱き枕のように抱きしめながら眠った。
そうだ、アメが決断すればこの子は……。
ハルト
ハルト
コガネはいつもいい子だった。
強くて、優しくて、 誰にでも寄り添える子だった。
ハルト
ハルト
コガネ
コガネ
コガネ
コガネ
ハルト
コガネ
コガネ
コガネ
コガネ
サトミの墓の前で、コガネは そっと手を合わせる。
あのときサトミが言ったことを、 コガネは宝物のように覚えていた。
ハルト
ハルト
コガネ
あの時、コガネは突然抱きついた俺に 驚きもせず。
ただ背中を撫で続けてくれた。
この時、コガネはどれだけ 傷ついていたんだろう。
どれだけ苦しんでいたんだろう。
ただ、嬉しかった。
俺やお義父さん以外にも サトミを思ってくれる人がいて。
ハルト
ハルト
コガネ
ハルト
コガネ
コガネ
ハルト
その日、
ミツルさんの処刑が無事に 終わった連絡が来た。
これで、全て終わったんだ。
アメ
年齢飛躍という、 神の領域に達する能力。
ハルヒという犠牲のおかげで 生きてしまった、この体。
爺やが託した、人生そのもの。
……まだ、ここで解決していないことがある。
コガネ
アメ
アメ
コガネ
アメ
俺は、これを知りに来た。
彼女の正体と、
爺やの、真実を。
コガネ
コガネ
コガネ
私の両親を殺したんだ。
アメ
13年前、某日。
黄金色の月が、くっきり見えた。
まあるい、満月だった。
ゲツ
ゲツ
家の中に入ると、 真っ白な壁は血に染まっていた。
わけがわからないまま、 リビングまで走った。
知らない人の大きな足跡が床についていた。
靴の跡だった。
荒れ果てた部屋の中に、
転がった死体の真ん中に、
そいつは当たり前かのように立っていた。
ゲツ
ゲツ
コガネ
コガネ
ゲツ
ゲツ
ゲツ
その後の記憶はあまりない、
荒れ果てた部屋の中を暴れ続けた。
ただ奇声を上げて、 丸腰で殺人鬼に挑んだ。
気絶したのは、いつだっただろうか。
気がつけば病院にいて、
点滴をぶっ刺されて、
医師と看護師と警察に囲まれていた。
親を失った喪失感もあった。
殺人鬼に対しての恨みもあった。
でも、それよりも、
自分が殺人鬼に”生かされた”という事実が、 ただただ息苦しさを感じさせた。