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電車に揺られること1時間くらい

見慣れた景色が見えてきた

そういえば学生の時もこうして

電車に揺られて帰ってたっけ

悠真

なんか…なつかしいな

駅から出たらもう時刻は 午後12時を回っていた

悠真

もうこんな時間か

悠真

あ、そうだ

駅前には俺がまだ小さいころ

りんかと母さんと 今は亡くなった父さんと

4人でよく行ったファミレスがある

ふとそこに行きたくなり

そこで昼ごはんを済ますことにした

悠真

すいません

悠真

えーっと

悠真

エビフライセットをひとつ…

あぁ、子供の頃はこうして

エビフライセットを頼んでたっけ

みのり(当時)

やだー!!!

みのり(当時)

お兄ちゃんのエビフライ食べる!!!

みのり。当時は小学生 入ったばっかりくらいか

ハンバーグセットを 注文しておきながら

俺のエビフライを 強奪しようとしている

かわいい

父さん

お、おいみのり

父さん

お店だから静かに…

父さん。この時は 30くらいだろうか

この3年後くらいに 亡くなってしまった

優しかった父は いつも俺と同じものを注文して

みのりが俺の注文した物を 横取りするのを防ごうとしていた

父さん

ほら

父さん

父さんのエビフライあげるから

父さん

それにお前はいつもそうやって

父さん

自分が頼んだものを残すじゃないか

みのり(当時)

やだ!!!

みのり(当時)

お兄ちゃんのエビフライ食べる!!

母さん

うふふっ

母さん

みのりったら

母さん。今よりずっと若いくて 明るい。20代くらいか。

いつもオムライスを 注文していた母さんは

俺たちのそんな様子を 見守って笑ってたっけ

父さん

母さん…

父さん

母さんも笑ってないで

父さん

みのりをとめ

みのり(当時)

もーらい!

父さん

あー!!

母さん

あはは!

悠真

俺はされるがままだったなぁ…

ふと、涙が出そうになるのをこらえ

机に目を向けると

悠真

あ、いつのまに

目の前にはエビフライセットが 置いてあった

ファミレスを出た頃には もう1時を回っていた。

俺はそのままバスに乗り

俺の家の最寄りのバス停まで 乗っていった

そして

悠真

んんん

悠真

ついたぁ…

悠真

疲れたなぁ…

悠真

さて、これからどうしたもんか

あのー

家になにか御用ですか?

悠真

聞き覚えのある声が聞こえた

悠真

かあさ…

あっぶね、母さんって言いかけた

悠真

あ、えっと…

悠真

翔也くんのお友達です

母さん

あ…

母さん

わざわざありがとうね

母さん

あがっていく?

悠真

あ、いや

悠真

大丈夫です

身内のはずの人に他人行儀にされる むずがゆさを感じながら

俺は誘いを断り本題を切り出した

悠真

えーっと…

悠真

翔也くんはどこに…?

母さん

…まだ知らなかったのね

母さん

実は翔也

母さん

事故にあってね

母さん

それで…

は?

ちょっと待ってくれ

その言い方だとまるで

母さん

子供を守ったとかで…

母さん

トラックにはねられて…

母さん

うっ…うぅっ…

…死んだ?

俺が?

悠真

…嘘だ

母さん

…?

母さんは涙目で俺を見た

悠真

だって俺は…

悠真

俺は翔也なんだから…

母さん

…な、なにをいってるの?

悠真

俺は翔也なんだよ!母さん!

悠真

見た目は違うけどでも!

悠真

あんたの息子の翔也なんだよ!!

母さん

ふ、ふざけてるの?

悠真

違うんだ!!本当なんだよ!!

悠真

あんたの息子の前田しょ…

ばしっ

母さん

帰って!!

母さん

冷やかしに来ただけなら
帰ってください!!

そう言って母さんは 駆け足で家の中に入っていった

悠真

…痛てぇ

今日の午前中に殴られた痛みより

痛む頬をさすりながら

俺は竹下家に帰ることにした

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