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早朝。 シェラとアディは宿屋を出て、港ルドリアへと歩き始める。
両道に並ぶ、桜の木々が心地良く吹く風によって揺れる度に、桜色の花びらが舞い落ちてくる。
シェラ
シェラ
アディ
アディ
シェラ
リビアーヌ国の左端にある港〈ルドリア〉にシェラとアディは無事に着いてから、ルパニア国行きの船に乗ったのは10日目の昼過ぎ頃であった。
アディ
シェラ
アディ
晴れた空の下、船の上から見える水平線を見つめていた。
その日の夜。 船内の客室にて、アディはシェラに全てを話した。シェラと出会うのは初めてではないこと。
シェラが命を落とす度に自分アディは何度も過去に戻って、シェラを救う為にやり直していたこと。
シェラ
アディ
本来の世界線で、シェラはアディと共に追っ手から逃げる為、アルディーア帝国を目指していた。
しかし、リビアーヌ国で追っ手の騎士に捕まりシェラとアディは命を落とした。
だが、一度、命を落としたアディはシェラと出会う前の日の夜に戻っていた。
何回もやり直しても、シェラは命を落とす。アディだけが命を落とさなかった時もあった。
その度にアディは自分の手で命を終わらせたのだ。また、シェラと出会う所からやり直す為に。
アディ
シェラ
アディ
シェラ
シェラはそう言い、部屋にあるベットに腰を下ろしたままアディの方に向き直る。
アディは、シェラの顔を見て今にも泣きそう顔を向けてシェラの手を優しく掴み引き寄せる。
アディ
アディ
シェラ
アディ
シェラを抱きしめるアディの手は震えていた。シェラは、アディの背に回していた片手で、アディの背中を優しく撫でる。
シェラ
アディ
アディは、シェラが自国に帰らなければいけなくなるその時までシェラとの時間を大切に過ごそう。そう強く思ったのであった。