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第1章-2

男の家に単独で乗り込むのは

さぞ緊張しただろう。

こうして顔が強張るのも無理はない。

高校生活2年目の夏にして

ようやく春が訪れました。

ありがとうかみさま。

そこの少年よ

はい

写真は何枚撮っても大丈夫だから

遠慮なく

あ。

違います。

ファンとかじゃないです

俺の言葉を手で遮るようにして

少年は主張した。

おかしい

話が違う。

じゃあ

なんで俺の部屋に

最初に言ったじゃないですか

すかぽんたん

...すかぽんたん

阿久間紫さん

貴方を頼ってきたんです。

僕を殺して貰うために

少年は控えめな胸をむんと張る。

だが

そうはっきりと言われても

俺はこの少年と面識がない。

殺して欲しいと頼まれて

分かりましたと請け負う伝説の殺し屋でもない。

照れ隠しだと思っていたが

どうやら本当に殺害をご所望らしい。

美少年に協力するのはやぶさかではないのだが

あまりにもぶっ飛んでいて脈絡がない。

一体どういうことだろうか。

話は見えないが

僅かな情報から答えを導き出すのは

俺の得意とするところだ。

言葉とは

得てして額面通りに受け取ってはいけない。

少年の意図をしっかりと汲み取る必要がある。

俺はしばしば熟考し

結論に辿り着いた。

つまり

俺の魅力で悩殺しろってか...?

他の人を当たりますね

待って待って

反射的に止めてしまう。

何がなんだかわからんが

この夏一番の暇つぶしになりそうな予感がぷんぷんと漂っている。

これもひとつの縁だろう。

とりあえず謝罪を挟み

事情を聞くことにした。

では

どこからお話ししましょうか

生い立ちから恥ずかしい初恋まで

なんでも聞くぞ

...要点だけ話しますね

はい

次回作❤×110

さよなら僕のドッペルゲンガー

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