華奈子
今日はありがとう、ミキちゃん。
美柚
いえいえ!喜んで頂けたなら…
華奈子
それじゃあまた、お店でね
美柚
お待ちしてますっ!
そう言って私達は別れた。
美柚
楽しかったなぁ……
美柚
華奈子さん…
美柚
いやいや、私何考えてるの…?
美柚
そもそもこの仕事始めたのは翼と一緒に暮らすためで……
美柚
向こうだって私の事なんか…
美柚
ただ買ってるだけなのに……
気づけば涙が溢れていた。
自分が誰を愛しているのか、もう何も分からない。
誰に愛されているのかも分からない。
行為の時、華奈子さんは私のことも思いやってくれた。私のことも気持ちよくしてくれた。
翼との夜はあんなに気持ちよかったことは無い。
美柚
……帰ろ
美柚
……ん?翼の声?
ふと気づいて声の方を振り返った。
翼
……え〜?もっと一緒にいようよ〜
美柚
翼……!?
男
どうしよっかな〜
そこには翼と、見知らぬ男がいた。
美柚
!
慌てて隠れる。
翼
帰る気なんてないんでしょ〜?
翼
ほら、あっちにホテルあるじゃん!行こうよ
男
ん〜良いけど
男
じゃあここでキスしてよ。
美柚
!?
翼
いいよ〜
翼と男はキスをした。長く、深いキスだった。
美柚
……っ
気づけばその場から逃げ出していた。
美柚
悔しい……悔しいっ……!
美柚
(最近突然お金の無心が多くなったのも、家にいない日が増えたのも、スマホばっか見てるのも……!)
美柚
(私、馬鹿みたいだ)
走り疲れて駅の壁にもたれこんだ。
美柚
全部、翼にあげたのにな……
駅のホームでうずくまっていると、知らない人に話しかけられた。
男1
おねーさん1人〜?
男2
どうした?
男1
俺たち良い休憩場所知ってんだけどさ……どう?
美柚
(うるさい……)
美柚
(今はあんた達みたいな男、1番見たくないのに…!)
私がそこから立ち去ろうとすると、男に腕を掴まれる。
男2
遠慮しなくていいって
男1
俺ら結構上手いよ?
美柚
話してっ……!
男2
このアマ……!大人しくこっち来いって……
華奈子
ミキちゃん?
美柚
!!
美柚
華奈子、さん