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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

天宮 杙凪

いやー…ほんと、賑わってるわね

天翔 凛雫

…うん

先程出ていた時と変わらず町は賑わっている。

まだ暗くない時間帯だからか、子供の声も多く聞こえてくる。

きゃあきゃあと騒ぐ子供の声に元気だな、と他人事に思う。

天翔 凛雫

皆、楽しそうだね

天宮 杙凪

…そうね

少ししゅんと凛雫がしている。 ”楽しい”を知らないからだろうか?

天宮 杙凪

でも、私は楽しいわよ!

天宮 杙凪

凛雫と一緒にこうやって出掛けて、さ

天翔 凛雫

そっか

天翔 凛雫

それなら私も、嬉しい…と、思う

天宮 杙凪

うん、良かった!

天宮 杙凪

さーてと、どんなお店があるかなーっと

多分、さっき凛雫が嬉しいって、笑ってくれたから浮かれてるんだと思う。

凛雫の些細な変化が、私の心を暖かくしてくれる。

それだけ、私にとって凛雫は大きな存在なんだと、改めて実感する。

だからその分、

天宮 杙凪

(凛雫が居なくなったら私は、もう…)

生きていけないはずだ、そう思う。

これだけ生きていると、やはり人間不信にはなる。

幾度となく裏切られて、捨てられて。

だけど凛雫は、傍を離れなかった。 それが私の心の支えとなった。

私にとっては凛雫が全てで、そして 凛雫にとっても私が全てなんだと。

そう思っている。

しかし、つまりこれは

天宮 杙凪

(…依存関係、だよねー…)

心の中で苦笑する。

だけどやはり、それは事実なのだ。

天翔 凛雫

……杙凪、

天宮 杙凪

あっ、ごめん

天宮 杙凪

真剣にお店見ててさ

天翔 凛雫

そう…いい感じのお店見つかった?

天宮 杙凪

うーん…今の所は、どうだろう

天宮 杙凪

というか、全部良さそうなんだよね!

天翔 凛雫

ふぅん…そっか

天翔 凛雫

杙凪の好きな所にしてね

天宮 杙凪

凛雫がそう望むなら

結局、少し高級なアスカル特有の料理を扱うお店を選んだ。

こちら、新鮮なここアスカルの野菜を扱った前菜でございます。

そうウエイターが告げて色鮮やかな前菜が並ぶ。

夏野菜と言われる暖かい時期に採れる野菜と、サーモンをあしらったマリネ、ハムやチーズに、サラダ。

並ぶ料理に目を奪われる。

天宮 杙凪

凄いわね…

天宮 杙凪

流石と言った所かしら

天宮 杙凪

それに今は夏野菜の時期から少しズレているのに…アスカルって感じがするわ

天翔 凛雫

そうだね

天翔 凛雫

綺麗な盛り付けだし

天翔 凛雫

前菜として丁度いい位の量で…

天翔 凛雫

…いいと思う

天翔 凛雫

この後の料理も楽しみだね

天宮 杙凪

えぇ、この後は煮込み料理や焼きとか色々ね

天宮 杙凪

デザートはシャーベットと、フルーツの盛り合わせ…!

天宮 杙凪

なかなか凄いわね

天宮 杙凪

コースとしても丁度いい、やっぱりしっかりしたお店だったわね

天宮 杙凪

それにしても楽しみだわ!

天宮 杙凪

今日を楽しまなくっちゃ

天翔 凛雫

……良かったね

天翔 凛雫

杙凪…、……って、…

ぼそりと凛雫が呟いたけれど、杙凪の耳に届く事はなかった。

天宮 杙凪

…?

天宮 杙凪

ま、いただきます…!

天翔 凛雫

うん、いただきます

天翔 凛雫

……

天翔 凛雫

(私にも、自分が欲しい)

天翔 凛雫

(だから少し、杙凪が……)

天翔 凛雫

(………羨ましい、の?)

凛雫は考えながら料理を口に運ぶ。

料理は不思議な程に味がしなかった。

天宮 杙凪

…ふぅ、いいお店だったわね!

天宮 杙凪

デザートも最高だったわ!

天宮 杙凪

シャーベットは冷たくてスッキリするし、フルーツもみずみずしくってもうほんと…!

天翔 凛雫

…良かったね

天翔 凛雫

私、杙凪がそうやって喜んでくれるのが嬉しいな…って、思う

天宮 杙凪

うん、うん

天宮 杙凪

ありがとう、凛雫

天宮 杙凪

私も、凛雫が笑って喜んでくれるのは嬉しいよ

天翔 凛雫

でも私は、笑えない、喜べない、よ?

天宮 杙凪

そう?

天宮 杙凪

最近はちゃんと意思表示とかできてるなって、やっぱりそれだけで嬉しいかな

天宮 杙凪

とにかく、凛雫がそうやって私の傍に居てくれるだけで私は嬉しいね

天翔 凛雫

そっか

天翔 凛雫

……良かった

天翔 凛雫

杙凪、ありがとう

天宮 杙凪

…どうして?

天翔 凛雫

だって、私を信じてくれたから

天宮 杙凪

そりゃ、勿論よ

天宮 杙凪

だって凛雫は大切な親友で、仲間で、それで……

天宮 杙凪

まぁ、凛雫大好きだよって事ね!

天翔 凛雫

う、うん…?

天翔 凛雫

じゃあ私も、杙凪が大好きで大切だから

天宮 杙凪

ふふ、そう言って貰えて光栄だわ

天宮 杙凪

親友冥利に尽きるってとこね

天翔 凛雫

…それ、使い方あってるの?

天宮 杙凪

うーん、多分?

天宮 杙凪

でもでも、大切って気持ちは変わらないからさ

天翔 凛雫

そっか…ありがとう

天宮 杙凪

いえいえ、こちらこそね

人の少なくなった少し中心街から離れた家までの道。

その道に灯る街灯が、2人を明るく照らしていた___。

皆様どうもこんにちは。 テキストより星桜です。 さてさて、今回の7話はどうだったでしょうか? ゆちゃの方で上がった前回では、凛雫が笑うという大きな進展が見られましたね。 今回は日常回の様な感じだったと思います。そんな日常の中でも2人の思いが見えていいですね。 さて、それではこの辺りで。 ここまで読んでいただきありがとうございました。 次回はゆちゃの方で上がりますので、よろしくお願いします🙌🏻

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コメント

1

ユーザー

うおぉ、最高か!? 日常回、ほのぼのしてたね( ´͈ ᵕ `͈ )

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