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圭音side 美月が半分幽霊になって 今日で3週目。 遠征とかオフの日に同期とお出かけに 着いてきてこの生活に慣れた様子。 あと3日後には 生死が分かれるみたい。

福島

んで、美月どうすんの?

美月

え?生きるかどうか?そりゃまだ人生長いんだし生きたいでしょ。

福島

本体どうなってんの?

美月

一昨日見に行ったけど植物状態。お母さんが延命治療してくれって主治医の先生に頼んだみたい。

本人は時々病室に戻っているみたいだが 俺はどうも行く気になれない。 目の前にいる元気な姿を見ているから 現実を受け止められない気がする。

美月

どうしたん?そんな険しい顔して。

福島

いやなんでもない、

美月

いや、でもそのままだったら …

福島

いいからそういうの。めんどい。

美月

あ、ちょっと。

少し頭を冷やそうと 部屋を出かけると 後ろから声をかけられる。

福島

あと少しで終わるんだからもうそろそろ病院戻れば?

美月

え?

福島

俺の事は心配しなくていいから。鬱陶しいの嫌だし。

美月

そうよね…ごめんね。んじゃ、またね

瞬きすると 美月の姿はなかった。 少し安心したのと このままでよかったのかと不安が 入り交じる。 そんな気持ちを振り払うように 部屋のドアを閉めた。

グランド いつも通り荷物を置いて 靴を履き替える。 横で修也と話してたら 大きな声を出された。

山田

え?喧嘩した?

福島

うん。今まで滅多に喧嘩しなかったんだけど。

山田

どんな感じで喧嘩したんすか?

喧嘩の経緯を全て話すと 頭を抱え始めた修也。

山田

それ圭音さんが悪いっす。

福島

わかってる。一方的に言いすぎたよな…

山田

さっさと謝ったらどうっすか?どうせその辺いるんでしょ?

福島

いや、病院戻った。ていうか帰らせた。

山田

もう何やってるんですか!後戻り出来ないですって!

百崎

何騒いでんの?2人して。

山田

あーもう、話していいですよね?圭音さん。ていうか話しますよ。

福島

あ、はい。

ひと通り話を聞いた蒼生。 修也と全く同じ発言をした。

百崎

それは圭音さんが悪いっすわ。

福島

ですよね…

山田

まじで仲直りしてくださいって!

百崎

会う顔がないとか言わないでくださいね。

お昼ご飯の時に親に電話しようと決め 練習に取り掛かった。

美月side 関西圏の大きな病院にやってきた。 ここに私が入院している。 今は一般病棟にいるが 病状が悪化すれば集中治療室に 運ばれるみたい。

天使

ほんとに今日戻っていいの?

美月

うん。このまま死ぬんだったら本体に戻って死んだ方がいい。

天使

喧嘩別れで仲直りできなくてもいいの?

後戻りは今のうちにしとけと 言いたげな顔で問いかけられたが 別にいい。 私がほぼ悪いから死んで償った方が いいに決まってる。

美月

うん。いいの。

天使

どっちもどっちな気がするけど。

美月

いいから戻して。やる事やったし。

天使

ほんとにいいのね?

美月

うん。ほんとにいい。

天使

幼なじみに会えるのもう無いかもしれないけどほんとにいいの?

美月

もうだからいいって。何度言わせたらわかるの?このお節介天使。

天使

あんたに後悔して欲しくないの。わかった?

美月

私頭硬いから何言っているのかわかんない。

天使

バカじゃん。

美月

うるさい。

天使

好きな気持ちも押し殺してるのに?

美月

は?何言ってんの?この天使。

天使

今まで彼氏作らなかったのその圭くんが好きだからでしょ?

美月

…………

天使

はい、図星。ちなみに朝あんなこと言ってた圭くんもあんたのこと好きだからね。

美月

は?

天使

天使には隠し事なんてないから。さすがに圭くんに彼氏のフリしてくれって頼んだ時はびっくりしたけど。

今までバレないようにしていたが 中学の時から 部活の時に圭くんの姿を眺めるのが 日課になっていた。 部活友達に直ぐにバレて 私の恋心を自覚しはや8年。 高校は気持ちに蓋をしようと 別の高校に通い始めたが 偶然受けた大学が 圭くんと同じだっただけ。

天使

それでもいいの?後悔しない?

美月

………うん。後悔しない。

天使

まじかよ。自分だったら辞めるのに。

美月

そんなことじゃ折れないから。ほら戻して。

天使

はいはい。わかりましたよ。

美月

手置けばいいの?

天使

うん。んじゃ、あとはあなたの体力次第だからね。

美月

うん。

天使

負けんなよ。

美月

はい。

天使

あと仲直りしてよ。

美月

それは気が向いたら。

不意に病室内を見渡すと 両親がいつの間にかお見舞いに来ていた。 私と天使がいるのを知らずに 植物状態の私に話しかけている。 天使に今のうちに体内に戻ろうと 声をかけた。 気づいた時には 私の体が動いていた。

美月

え?これって…

美月!

美月

圭くん…

圭音くん?

圭音くんがどうしたん?

美月

圭くんごめん…

いつの間にか 目から涙が溢れ落ちる。 母さんがタオルで拭いてくれ 訳を聞かれるが幽霊離脱のことは 言いにくいから 私が言う言葉を手紙に書いて 圭くんに渡してくれと話した。 全て言い終わる頃には 意識が朦朧としていて いつ手放すか分からない状態。 いつの間にか圭くんの両親も お見舞いに来ていた。

美月

圭くんほんとにごめん…

先生

圭くんって人直ぐに呼べますか?

圭音父

直ぐに呼びます。

ベットが動いていて 多分集中治療室に向かうはず。 その頃には周りの声が小さくなっていて もう私はここで終わりなのかと 死を覚悟するのだった。

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