短 編 集

めいわく

桃赤㌥

ﾁﾗｯ

赤と付き合って結構経つけど

赤が俺のことを頼ったことは1度もない

赤はいつも

どこか、遠慮がちで

すぐ謝るし

俺のこと、怖がってるみたいな感じがして

...本当に俺のこと好きなのかな

いやいや付き合ってるんじゃないか

もっと頼ってほしいな

...思えば嫉妬だってされたことないや

赤は本当に俺のこと好きなのだろうか

いつも不安になる

ﾄﾞﾝｯ

ﾊﾞﾝｯ

ﾄﾞﾝｯﾄﾞﾝｯ

ｶﾁｬｶﾁｬｯ

ﾊﾞｺｯ

誰にも迷惑をかけないように

...やっと

俺を好きになってくれた人に出会えたのに

また昔みたいに

めいわくだって思われたくない

振られたくない

嫌われたくない

...がんばらなきゃ

ちゃんとしなきゃ

役に立たなくちゃ

うざがられないように

めいわくがられないように

しっかりしなきゃ...

ﾌﾗｯ

だめだ

こんなんじゃ

めいわくだ

しっかりしなきゃ

嘘だ

たべてもはいちゃうからたべてない

でもはくとめいわくになる

俺なんかしちゃったかな

気づかないうちにめいわくかけてた？

どうしよう

やだやだ嫌われたくない

だいすきなの

あやまらなきゃ

ﾌﾗｯ

ﾊﾞﾀｯ

好きか聞いただけなのに

謝って倒れて

めっちゃ熱あるしまた痩せてるし

...どういうことだよ

やっぱり俺のこと嫌いなのかよ...

あっ

おれたおれたんだ

めいわく、かけちゃった

嫌われたかな

振られるかも

...あやまらなきゃ

こわい

昔みたいにまた...

ｷﾞｭｯ

ｷﾞｭｩ

桃ちゃんの優しい声に

俺は安心して

今までは思い出すだけでも吐き気がするほどだったのに

はじめて、はなした

ｷﾞｭｩｩ

桃ちゃんの手はとってもあたたかくて

とっても安心した

桃ちゃんに出会えて

桃ちゃんと付き合えて

おれはほんとに

しあわせものだ__.

❦ℯꫛᎴ❧