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雨 の ち 晴 れ

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雨 の ち 晴 れ

3 - 15% の 晴れ

♥

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2025年06月08日

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今日も又雨が降っていた 。

ちゃんと傘を差して 唯歩く 。

私の家の近所である 此の道はよく通る所 。

雨で 、此の道で 同じような時間帯

そして君に逢えたら 、 と運命を願っていた 。

運命なんて所詮偶然 。

其の偶然が生まれるのは 何千分の一に過ぎないのに 、

私含めた人々は何故 願って祈ってしまうのか 。

私では答えに辿り着けない 。

茉 陽

あれ 、あの人

私の視界に映ったのは ____

____ 探していた君だった 。

今度は君が傘を差しておらず 、

恐らく鞄であるものを 頭の上に乗せて走っていた 。

5秒も経てば 私から遠退いてゆく 、

そんな気がした 。 そんな速さだった 。

だから後悔したくなかった 。

茉 陽

あ 、あの!

私の精いっぱいの声掛け 。

届くか解らない位 小さかった声が嫌だった 。

 

ん?誰 、なに

届いたのか 、 振り向いた君が足を止めた。

此れを掴んで離すまい 、と 息をめいいっぱい吸う 。

茉 陽

先日傘を頂いたんですけど

茉 陽

見掛けたので御礼 、とかしたくて ...

私にしては頑張ったと思う 。

名前も知らない人に話し掛ける なんてしたこと無かったのだから 。

 

別に要らねーよ

 

気にすんな 、んじゃ

必死になって声を掛けたのに 今はもう手を振って

どんどん足を進めていた 。

違う 、君と唯話したいだけ 。 御礼なんて言い訳でしか無いの 。

茉 陽

ねぇ待って !

気が付いたら手首を 引っ張ってしまっていた 。

我に返った時 、 君は不機嫌を全面に出していた 。

嗚呼そんな顔しないで 、

茉 陽

引っ張って御免なさい

茉 陽

御礼よりも私は貴方の事が
知りたいだけなの

其れを言葉にした時 、 迷惑だと気づいてしまった 。

君の顔と仕草と雰囲気で

でもそうしたいと思ったら 後悔という言葉は私から消え去る 。

其れが私の悪い癖だ 。

 

はぁ … 御前さ怠いよ

此の言葉を本当は恐れていた 。

1人でも嫌われぬよう 生きていた私にとって 、

最悪の雰囲気と言葉だった 。

 

回りくどい事する前にそう言いなよ

 

俺 、緒形晴哉

思った言葉と違う雰囲気を魅せた 。

私の短所を認められた気がして 気分が高揚する 。

調子に乗って話したくなる 。

茉 陽

わ私 、天風です!

晴 哉

名前で呼びたいんだけど

茉 陽

あ 、すみません

茉 陽

茉陽と言います

気を抜いたら声が裏返りそうで 少しハラハラした 。

でも君の名前を知れただけで 嬉しさが込み上がってゆく 。

茉 陽

緒形くん?でいいかな

晴 哉

否 、晴哉で

茉 陽

じゃ 、じゃあ晴哉くん

晴 哉

なに

頭の中で ‘ せいやくん ’ と 呼んでみる 。

ただ只管に嬉しくて嬉しくて 笑ってしまいそうだった 。

そして無意識に傘は 2人へと傾いていた 。

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