すっかり日は暮れ、微かな茜色に、 灰色がかった青色を混ぜて、濃く塗ったような空には
白いハイライトが点々と、描かれている。
家族用の車は駐車場に、 殆ど残っておらず、
昼間のような、子どもの弾んだ声は、 崩れかけた砂の城や浅い足跡を置いてけぼりにして、遠くへ去ってしまった。
清花
清花
清花
雅人
清花
雅人
雅人
雅人
清花
清花
雅人
雅人
雅人
雅人
雅人
何もしてないし…
清花
清花
清花
清花
清花
清花
清花
雅人
雅人
雅人
雅人
清花
雅人
雅人
清花
清花
風が2人の体を通る。
私の思いも風にのって
雅人の方へ
清花
雅人
清花
清花
雅人
雅人
清花
清花
清花
清花
清花
清花
清花
清花
雅人
雅人
雅人
雅人
雅人
清花
清花
清花
雅人
雅人
雅人
雅人
雅人
思いもしない言葉に
今までの思いが込み上げる
清花
清花
清花
一気に抜けた不安感と、今ある喜びが
涙としてとめどなく溢れてくる
雅人
雅人
清花
清花
清花
清花
雅人
雅人
雅人
清花
海面は穏やかになって、 月明かりの大きな一本線に輝く
雅人
清花
お互いに見つめ合う
鼓動が早くなる
…雅人にきこえてしまいそう
雅人の手が清花の濡れた頬へ伸びる
清花
雅人
やさしく唇が重なる
2人はさらに一度、見つめ合って
互いに体を寄せながら、細い息でキスをした
清花
清花が息を吸おうと、唇を少し開くと
厚みのあるあたたかな舌が絡まる
清花はその舌を受け入れるように ゆっくりと絡ませる
荒い息と唾液の流れる音が さらに2人の情欲を掻き立てる
清花
清花
戸惑ってたのに…)
雅人
雅人
雅人が清花の背中を沿いながら 腰に腕をまわす
清花の髪が束で広がる 雅人の上には月が見えた
清花
重ねた唇を離し、息を整え 雅人の長い手が 清花の首から下へと這うようにして撫でる
清花
清花
雅人
雅人
清花
雅人
雅人
清花
雅人
雅人
清花
清花
雅人
清花
清花
2人は熟れた唇を離し、
おでこをくっつけながら 目線を上げ 微笑んだ
寂々とした、波音をたてる海は、 底の見えない深い青に、そのまま空をまるごと映し、混ざり合う。