/s/[storyId]/_components/heading/assets/back_arrow_icon.4081080bcaba67b8.svg){kind=icon}
/s/[storyId]/_containers/report-container/assets/more-icon.20cfac1b79e24f56.svg){kind=icon}
太宰治
確か、マーサちゃんはヨコハマに「人探し」に来たと言っていたけれど……
太宰治
一体誰をお探しなのだい？
マーサ
よくぞ聞いてくれた！
マーサ
私が探し求るはただ一人！
マーサ
辺境の惑星にて科学を志し、この世界の究極を知らんと望む男！
中島敦
(随分勿体ぶるなぁ……)
マーサ
我が銀河帝国の外交大使！梶井基次郎だ！
太宰治
……へぇ？
中島敦
え？
国木田独歩
梶井基次郎、だと！？
マーサ
なんだ、お前たちも知っていたのか
マーサ
基次郎のことだ！地球でも科学者として存分に名を残しているであろうとは思っていたし、お前たちのような衆愚でも知っていて当然だな！
中島敦
ま、待って待って！いきなり言われても……
中島敦
そもそもあの梶井とどういう関係なの！？
国木田独歩
(梶井基次郎といえばあの悪名高い指名手配犯、爆弾による無差別殺人を行う悪辣非道な似非科学者だ……)
太宰治
(でも、この口ぶりからして復讐目的とかじゃあないみたいだよ？)
国木田独歩
(然し……我々が捜索を手伝ってはポートマフィアも良くは思わんだろう)
太宰治
(まぁここは、一旦この子の話を聞いた方がいいかもね)
マーサ
？お前たち、何をこそこそと話しているのだ？
太宰治
いえいえ、お気になさらず
太宰治
あの人が宇宙大元帥と旧知であったことに驚いていたところですよ
マーサ
そうか！さぞ驚いただろう！(ふふん
中島敦
それで……どうして梶井を探しに？
マーサ
おっと！その話をしていなかったな！
マーサ
そう！あれは忘れもしない、私が宇宙軍大元帥に就任する前年のことだ！
太宰治
(長くなりそう……)
マーサ
私はヒトの上に立つものとしての試練として辺境の惑星に降り立ち、原住民と協力して母星たるシリウスへと帰還せよという命を受けたのだ！
マーサ
そしてそこで出会いしは若き科学者、梶井基次郎！
マーサ
私は彼と共に宇宙船を作り上げ、宙へと飛び立つことに成功したのだ！
中島敦
宇宙船を！？すごすぎる……
マーサ
児童向けの工作と思うような拙い出来だったがな
マーサ
その時に私は約束したのだ！
マーサ
梶井を我が婚約者にするとな！そして、私が適齢期となり迎えにくるまで銀河帝国宇宙軍大元帥の外交大使として地球で名を上げよと！
太宰治
……んんん？
国木田独歩
……もう一度言ってみろ
マーサ
む？だから、私は梶井を婚約者にして……
国木田独歩
可笑しいだろうそれは！！！！！！
国木田独歩
第一貴様、今何歳だと言った！？
マーサ
16だが
国木田独歩
16の子供に宇宙船が作れるわけがないだろう！
国木田独歩
それに梶井は情報が正しければ28歳だぞ！？
国木田独歩
お前の倫理観がどうかは知らんが28と16で婚約などとどう考えても巫山戯ているとしか思えない話だ！
マーサ
何を言うか、このメガネ！
マーサ
私はシリウス歴換算で16の歴代最年少大元帥だが地球歴換算すればざっと35は超えているぞ！
中島敦
そういう問題！？
中島敦
……いや、地球歴換算すれば釣り合う年齢って言いたいのかもしれないけど！
国木田独歩
その外見ではどう考えても事案だろうが！
太宰治
まーまー、落ち着きなよ国木田くん
太宰治
実際問題どうなのか、乱歩さんの推理でなら分かるんじゃないの？
国木田独歩
む……確かにな
国木田独歩
我々だけで大騒ぎしていてもどうにもならん
カランコロン
中島敦
あれ、誰か来たみたいですよ
太宰治
お客さんかな？それとも……
江戸川乱歩
たっだいま〜！！！！
国木田独歩
噂をすれば丁度帰ってきてくれましたね
マーサ
む？なんだこいつは
与謝野晶子
乱歩サンは相変わらず気まぐれで困るねェ…
与謝野晶子
おや、可愛らしいお客さんがいるじゃないか
江戸川乱歩
むむ？僕に内緒で面白そうなことしてた？
マーサ
新たな人間ども、聞くがいい！
マーサ
私は宇宙軍大元帥マーサ！地球に婚約者を迎えに来た者だ！
梶井基次郎
……へくちゅん
尾崎紅葉
おや、そなたが風邪をひくとは珍しいのう
梶井基次郎
この梶井は決して馬鹿ではありませんからね！風邪くらいひきますよ！
尾崎紅葉
……なるほどのぅ
尾崎紅葉
そういえば、珍しいついでに思い出したのじゃが……
尾崎紅葉
先日隕石騒動が有ったらしいぞ
梶井基次郎
隕石ぃ？
尾崎紅葉
ああ。尤も、途中で燃え尽きたとかで落ちなくて、結局は派手な流星くらいのものじゃったとか
梶井基次郎
隕石ねぇ……なんだか昔のことを思い出しますね
尾崎紅葉
おや、普段から宇宙大元帥がーと言うておったが、そなたの宇宙好きは隕石が由来かの？
梶井基次郎
隕石そのものというよりは…
梶井基次郎
昔、地元で隕石が落ちた後不思議な女の子と出会ったんですよ
梶井基次郎
忘れもしない、マーサ
梶井基次郎
ふわふわの黄色い髪に、星空みたいな目をした子……
尾崎紅葉
(しまった、厄介なスイッチを入れてしもうた…)
/s/[storyId]/_containers/next-in-series-container/next-in-series/assets/list-icon.c10ab777f3210550.svg){kind=icon}
作品ページ
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。
