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とある団地に、鈴木という少年と、まなという少女がいた。
2人は親同士が知り合いで、幼い頃からよく遊んでいた。
近所の公園で、幼稚園で、お互いの家で、いつも一緒だった。
もちろん2人はとても仲が良かった。
大きくなったら結婚しようねと、指切りげんまんをするほどだった。
しかし年月というのは無情なもので、小学校に上がると2人が遊ぶことは段々となくなっていった。
そして中学、高校と上がるにつれ、2人は遊ぶことなどもう完全になくなってしまっていた。
大学を卒業した頃には、鈴木はまなのことなどすっかり忘れてしまっていた。
そんな鈴木も歳を重ね、高校からの同級生の遥と結婚することになった。
しばらく離れていた地元で式を挙げ、同級生や親族たちから盛大に祝われた。
その知らせは、地元に留まっていたまなの耳にも届いていた。
だから、まなは今大忙しである。
彼女の注文履歴には、大量の裁縫道具がズラリと並んでいた。
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