一匹少女物語 ＿ 。

冷たい空気が吹いてゆく

沈黙を遮るように何時もの声が聞こえてくる

銃を額に当てられる

ｶﾁｬ

その直後に冷たい感覚が伝わった

初めて聞く女の声

顔を見ると整っていることが分かった

他の奴らも銃を構え 女に向ける

情報が漏れるはず無い

ということは幹部か？

いや、幹部は全員把握してある

こんな顔の奴居るはずが無い

怪しく光る目を見つめながら 三途がそう言った

数秒間だけ隙があった

その隙を見て 腕を引っ張った

情報収集も完璧

気配を消すのも上手い

銃の扱いも慣れてる

殺すには勿体無いか…、

目鼻が整った寝顔を見る

此奴は一体何処から…

一体…

何者なんだ…?

俺が見つめていることに気がついたのか

そんなことを言う

細い身体を持ち上げ、肩に掛ける

inﾎﾉｶ

目が覚めると其処は私の知らない場所 だった

動こうとしても手足が動かない

足には鎖に繋がれた" ソレ "が在り、 手首には" アレ "があった

どれだけ動こうが取れやしない

それがわかっていても 動かずいる事なんて出来なかった

如何やって其処まで調べたのか

隅から隅まで知られていた

刺すような冷たい視線を私に向け、 一つの質問をする

そう。誰でも良かった

私の心を見透かそうとしているのか

いや…

見透かしているのか

そんな目が私に向けられた

このままその" 目 "を見つめていたく なくて

目線を下にする

沈黙に耐えきれなくなったのか 九井一が口を開いた

口を揃えて…顔も揃えて 何言ってんだという反応をする

一人一人の質問に丁寧に答えていく

正直梵天に入るなんて 真っ平ごめんだ

これ以上面倒ごとになる前に 早く殺して欲しいくらいなのに

隙を空けずに答える

自分でも何故か笑えた

思っているような思っていないような

そんな言葉を淡々と並べる

其処にいる奴らは 私を感心したような目で見ていた

死ぬことを止められているという 感覚は無かった

私の質問に彼は答えなかった

でも

もし死ぬのが1人じゃ無かったら

孤独に死ぬのではないのなら

少しだけ…

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