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文香
文香
彼が死んだ
車での事故だ
急なヘアピンカーブを
曲がりきれずにそのまま激突した
即死だそうだ
いつも通る道なのに
いつもの道だから?
文香
文香
文香
文香
文香
ハレクサ
ハレクサ
文香
ハレクサは
音声を認識して
音楽を再生してくれる
スマートスピーカーだ
新し物好きの彼が
買って来た物
音楽を聞くのが好きな彼は
ハレクサに話しかけて
よく、音楽を流してた
文香
ハレクサ
文香
文香
文香
ハレクサ
文香
文香
ハレクサ
この曲は彼との思い出の曲
聞くだけで胸が張り裂けてしまいそうになる
文香
部屋に置いてある
彼のスーツに顔を埋めて
泣き続けた
文香
文香
私は泣き疲れて
知らないうちに
寝てしまっていたらしい
文香
彼は朝が弱い人だった
起こしても中々起きなくて・・
そんな事を思い出すと
また涙が溢れてくる
ハレクサ
ハレクサ
文香
ハレクサ
文香
これもよく一緒に聞いたな・・
カラオケではいつも歌ってたけ・・
文香
文香
結局、私は寝れずに
泣き続けた
文香
文香
鏡をみると
クマができ
腫れぼったい目の
やつれた顔の自分が映る
文香
文香
文香
涙は枯れると言うが
そんなの嘘だ
いくら泣き続けても
涙は止まらない
ハレクサ
ハレクサ
文香
ハレクサ
文香
私が落ち込んでいた時
彼が聞かしてくれた曲だ
大丈夫だよって
抱きしめてもらったんだ
文香
文香
なんとなく彼が側にいる気がして
その歌を何度も聴きながら
眠りについた
文香
彼が死んでから
もう4日
本当は今日
映画を見ようって
約束してたんだよね
文香
文香
ハレクサ
ハレクサ
文香
文香
文香
文香
そんな事をひとり呟いても
帰ってくる声はない
だけど確かに
私は彼を感じる
包まれているような
安心感に身を任せ
私は目を閉じる
文香
文香
文香
ハレクサ
ハレクサ
ハレクサ
彼は側にいてくれているのだ
彼が死んでどうしようもなく
落ち込んでいる私の側に・・・
文香
文香
彼が側にいてくれてる
それが思い込みでも
少し元気が湧いてくる気がした
文香
文香
文香
文香
文香
文香
ハレクサ
ハレクサ
ハレクサ
ハレクサ
文香
文香
ハレクサ
ハレクサ
文香
文香
彼は私に
前に進んで欲しいと
訴えてるのだろうか・・・
いつまでも泣いてちゃいけないよって
文香
文香
文香
文香
その日
私は大声で泣き続けた
私が泣くのは今日が最後
文香
文香
文香
この桜の木の下で
ロケット花火
ステキな君
オレンジ色の夕日
まだこのままで
絵の具みたいな恋
彼が私に届けてくれた曲をミュージックプレーヤーに登録した
文香
文香
文香
ハレクサ
ハレクサ
文香
文香
文香
ガチャン・・・
ハレクサ
ハレクサ
ハレクサ
ハレクサ
ハレクサ