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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

桜笑

やばい!!見て見て、これ!!

桜笑

うん、我ながら天才だと思う!

菜乃

おお、いい感じ…やっぱ桜笑ってこういうのめっちゃ本気出すね

桜笑

でしょでしょ、今やれることは本気でやる!

桜笑

だって、楽しい楽しい文化祭なんだよ〜!!

瑠々

そうだよね!!

菜乃

わ、瑠々ちゃん

瑠々

すごい桜笑、器用だね!これでバッチリ!

桜笑

でしょでしょ〜

ふふんと桜笑がドヤ顔してみせる

菜乃

(良かったな、最近楽しそうで)

菜乃

(…私が何もしなくても、解決できちゃった)

あの日、私が桜笑に心配のLIMEを送るも

桜笑はセンパイと一緒にいて───。

菜乃

(私には何も、教えてくれなかったな)

お門違いな寂しさを抱えている

文化祭当日

どこもかしこも人で埋まっていて、もう秋なのに暑苦しい

桜笑

次2組行こうよ〜!

桜笑

にしても店番じゃないときまで宣伝用の服着るの、いつもと違うから違和感だね

わくわくして向こうを見ながら桜笑が話す

菜乃

桜笑

菜乃?

菜乃

あ、ごめん

菜乃

ねえ桜笑、そういえばセンパイの教室行かないの?

桜笑

え!?そ、そりゃ行きたい…けど

桜笑

あっちも忙しいだろうし、それに───

菜乃

私に気を使ってるなら大丈夫だよ

菜乃

私も少し屋上に用があるから…その間に行ってきたら?

桜笑

あ、ちが───

菜乃

ほんとだって!すぐ行くからセンパイと話しててよ

楽しくない気持ちでいたくない

でも積もったモヤモヤはどうしようもなくて

私は屋上へと階段を登った

途中瑠々ちゃんと七瀬が2人でお店にいるのを見かけた

目があった瑠々ちゃんは心配そうな顔をしたけど気がつかないふりをした

菜乃

…っ宮代

京介

お、やっほ

菜乃

うん…

分かってた

文化祭なんて関係なく、こいつはここにいるって

菜乃

(私、宮代のことなんかの逃げ場とかと勘違いしてるのかな)

菜乃

(だとしたら私は宮代に対して最低だよ)

菜乃

(ううん、桜笑に対してもだ)

京介

───水内?

菜乃

…っ!

菜乃

あ…いや…えっと

京介

俺も今日は文化祭だしもーすぐ手伝いに行かなきゃだけど

京介

なんかあったんなら聞かせろ

菜乃

聞かせろって…

言葉にしたら、もっとイヤなやつになっちゃいそうだ

なのに宮代はまっすぐに私を見据える

だから私の言葉は口から滑り落ちた

菜乃

桜笑が…私に何も教えてくれない気がして

菜乃

私のこと…ほんとは信頼しきれてないんじゃないかなって…

京介

なんでそんなこと思うんだよ、お前ら仲良いだろ

菜乃

…うん

菜乃

でも私、桜笑とセンパイのことも何1つ知らなかったし

菜乃

悩みも…触れない方がいいかなって、聞いてあげられなかった

菜乃

こんな私が友達名乗る資格なんて───

京介

資格なんていらねーだろ

菜乃

え、だって…

京介

少なくとも

京介

俺もあいつも、そう思ってんじゃねーの

菜乃

そんなこと…分かんないじゃん

京介

聞けばいい

菜乃

聞けたら……苦労しないよ…

私がぽつりと呟いたとき

宮代が動かした指でさされた方を振り返ろうとする

その瞬間私に振動が伝わる

菜乃

うわっ…!

桜笑

話、最後まで、聞いて…!

息を切らして走ってきたらしい桜笑が、私に抱きついていた

菜乃

え?

私は驚いて聞き返す

桜笑

時雨くんとは会いたいけど!

桜笑

あたし、今日は菜乃と行きたいお店いっぱいあるの…!

菜乃

桜笑…

その瞬間全部吹き飛ぶようにどうでも良くなった

こんなに必死で私のために走ってくれる人が、いるんだ

十分…十二分なくらいに、幸せに決まってる

桜笑

ええ、あたしに信頼されてないと思った?

菜乃

…ごめん

桜笑

ねえ菜乃

菜乃

ん?

桜笑

あたし、菜乃がほんとに大好きだし信頼してないなんてわけない

桜笑

感謝だってたくさんしてる

桜笑

…時雨くんのことは、口に出して好きだって言えるようになったのが最近で

桜笑

って言っても事後報告になっちゃったって感じだし何言ってんだって思うだろうけど───

菜乃

思うわけないよ

菜乃

桜笑が私のこと友達って思ってないなんて…心の底では違うって分かってたんだと思う

菜乃

勝手に不安になって、ごめん

桜笑

菜乃…

桜笑

ううん、そんなこと、ない

菜乃

…どこ行きたいの?

桜笑

え?

菜乃

私と行きたい店、あるんでしょ

桜笑

菜乃

何組?でも先にそろそろ私たちお店やらなきゃだね

桜笑

じゃああとでのお楽しみ♪

桜笑

絶対楽しいよ〜!

菜乃

ふふ

ドンッ

桜笑

あ、すみません!

 

 

…たのしそう

じっと目を合わせた彼女が言った

桜笑

(後輩…?)

桜笑

(それにどうして屋上へ向かって…)

菜乃

あ、店じゃない?

桜笑

へ?…あ、服

桜笑

じゃあ一緒に2年5組へレッツゴーだね♪

 

わ、わっ

菜乃

来る?

 

───はいっ!

その後全力で店番を終わらせるとあたしたちはいろんなクラスを訪れた

そしてその日見たとびっきりの菜乃の笑顔は忘れられない思い出となった

きみの笑顔が見たいだけ

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コメント

5

ユーザー

菜乃さんにとって桜笑さんは大切すぎる存在だからこそ桜笑さんに時雨くんのことについて聞けなかったんだろうな……💦 でも、菜乃さんを走って追いかけてきた桜笑さん見ると桜笑さんにとっても菜乃さんが大切すぎる存在なんだな、って伝わってきた🤭💭 これからも2人で仲良く楽しい日々を送って欲しいな……!!

ユーザー

菜乃ちゃん…っ! なんとなくだけど不安になっちゃう気持ちめっちゃ分かるから桜笑ちゃんに対する安心感えぐい…!めっちゃいい友情すぎた…!!

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