ころんと会う約束をしていたから
俺は海岸に向かった
そこで見てしまった
S 💗
額をくっつけて笑う、
るぅとところんの姿
S 💗
心臓が縮まった感覚がした
強く、強く
誰かに握られる
S 💗
俺は小さく呟いて
その場を後にした
C 💙
ᖇ 💛
ᖇ 💛
C 💙
確かに僕は誰かに名前を呼ばれた
ふわっ──
C 💙
そして
鼻に広がるホワイトムスクの匂い
ᖇ 💛
C 💙
僕は無意識に彼の名前を呟いた
光り輝くあのピアス
ふわふわなピンクの髪
男らしい背丈
脳内で記憶が蘇る
C 💙
不意にそう思った
ᖇ 💛
C 💙
C 💙
ᖇ 💛
C 💙
僕は軽く微笑んで言った
ᖇ 💛
彼は曖昧に微笑んだ
C 💙
C 💙
タッタッタッ──
S 💗
俺は無心で住宅街を歩いた
虚しさに囚われないように
スマホを手に取った
S 💗
スタスタスタッ──
俺が俯いて歩いていると
見覚えのある姿に顔を上げた
S 💗
?
S 💗
タッタッタッ──
莉犬は勢いよく俺に抱きついてきた
ᖇ ❤️
ᖇ ❤️
S 💗
ᖇ ❤️
莉犬は俺を強く抱き締めた
でも俺は莉犬を抱きしめられなかった
S 💗
ᖇ ❤️
莉犬は俺の体に顔をもぐらせた
S 💗
ᖇ ❤️
ᖇ ❤️
莉犬は甘い声ととろけた呂律を回して
俺に言ってきた
S 💗
ᖇ ❤️
S 💗
ᖇ ❤️
S 💗
ᖇ ❤️
莉犬が叫んだのと同時に
俺と莉犬は唇を重ねた
S 💗
目を見開くと莉犬の背後には
華奢で小さな体のころんがいた
C 💙
タッタッタッ──
ころんは傷ついた笑みを浮かべて
走り去った
ᖇ ❤️
S 💗
ᖇ ❤️
S 💗
俺はいらだちを覚えてしまった
ᖇ ❤️
莉犬は俺の腕と手を絡ませて聞いてくる
S 💗
S 💗
ᖇ ❤️
ᖇ ❤️
ᖇ ❤️
莉犬の声のトーンは急に下がる
S 💗
ᖇ ❤️
ᖇ ❤️
ᖇ ❤️
S 💗
ᖇ ❤️
S 💗
S 💗
ᖇ ❤️
消えそうなくらい小さな声
瞳から零れる大粒の涙
ᖇ ❤️
ᖇ ❤️
ᖇ ❤️
ᖇ ❤️
ᖇ ❤️
S 💗
俺は何も言えなかった
ただただ莉犬の口からこぼれる不満に
耳を塞ぐだけだった
ᖇ ❤️
バッ──
莉犬が手を挙げた時だった
タッタッタッ──
バチンッ──!
住宅街に鳴り響く鈍い音
しかし
俺は痛みも涙も感じなかった
S 💗
ᖇ ❤️
俺と莉犬は声が出なかった
C 💙
C 💙
バタンッ──
ころんはそう言って倒れ込んだ
S 💗
S 💗
S 💗
C 💙
C 💙
僕は目が覚めると
見覚えのない天井があった
S 💗
S 💗
僕はゆっくり体を起こし
彼を見つめた
僕の目に映る彼は
安心したように微笑んだ
C 💙
S 💗
S 💗
S 💗
自分の頬に触れると
激痛が走った
ガーゼ越しでも痛みを感じた
S 💗
S 💗
C 💙
C 💙
S 💗
さとみくんは俯いてばかりだった
僕の声が届かないくらい
距離が遠くに感じた
S 💗
S 💗
C 💙
C 💙
僕は強気でさとみくんに言った
S 💗
案の定さとみくんは目を見開いた
C 💙
C 💙
C 💙
S 💗
C 💙
グルッ──
僕は布団にくるまった
C 💙
自分の言ったことが恥ずかしく
さとみくんの顔が見れなかった
S 💗
S 💗
C 💙
デート
僕はハッキリと口にした
C 💙
C 💙
僕は布団に顔を埋めた
C 💙
ホワイトムスクの匂い
C 💙
僕は周りを見渡し
改めてさとみくんの部屋だと認識した
廊下
S 💗
S 💗
彼女のペースと笑顔に
完全に狂わされた
S 💗
「僕とデートしてよ」
S 💗
俺はさっきの会話を思い出し
1人で赤面する
S 💗
俺は2個のコップにお茶を注いだあと
引き出しから紙を取りだした
桃色の紙にペンをはしらせた
S 💗
俺の好きな人
あの小さな後ろ姿
今でも忘れられない
たった1枚の紙切れで繋がってる
俺とあの子の話
コメント
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りょあさんの作品はどれも素晴らしくて心が感動する˚‧º·(´ฅωฅ`)‧º·˚