美結
美結
お母さん
美結
お母さん
美結
お母さん
美結
私が選んだ犬は、全身真っ白の綺麗な犬だった。
名前はハルにした。
最初はシロにしようと思ったけど、お花が好きだったから。
美結
ハル
美結
ハルは、とても喜んでくれた。
それが、私は嬉しかった。
でも、中学生になってからは、構う時間なんて無くなった。
美結
美結
ハル
美結
そう言い、私は友達と遊びに行った。
暇な時はいつも友達と遊んでいて、ハルに悲しい思いをさせてしまっていた。
それでもハルは、私の帰りを待っていてくれた。
ハル
扉を開けると、いつもハルがいた。
ハルは私の足の周りを走り、嬉しそうにしていた。
そんな優しくしてくれるハルに、私は冷たい態度をとってしまった。
美結
昔の私なら、ハルを優しく包み込んであげただろうに。
今の私は、それすらもしなかった。
でも、私が高1になった頃、ハルは元気が無くなった。
玄関を開けたら、いつも居るはずのハルは居なかった。
美結
私はリビングへ向かった。
美結
そこには、ハルが寝ていた。
ハルは、ずっと寝たきりだった。
美結
ハル
ハルはもう歳をとってしまったのだ。
私は、ハルを見ては胸が苦しくなるばかりだった。
どうしてあんなに一緒に居てあげなかったんだろう。
どうして冷たい態度をとってしまったんだろう。
後悔した。
私の心に、ぽつんと穴が空いた。
私はその晩、眠ることができなかった。
ずっとハルのことを考えていた。
そうしている間に、夜が明けてしまった。
その日は、寝不足になってしまった。
お母さん
美結
お母さん
美結
お母さん
そう言い、私は階段を降りた。
美結
お母さん
美結
お母さん
美結
お母さん
美結
お母さん
美結
美結
美結
美結
私はハルを優しく撫でた。
すると、ハルは少しだけ動いた。
美結
お母さん
美結
お母さん
ハル
小さい声でハルは鳴いた。
それが、嬉しかった。
私は、ハルを優しく包み込んだ。
美結
美結
ハルは、小さく鳴いた。
ハル
私は、この鳴き声が、 「いいよ。」 と聞こえた。
これからも、よろしくね。
ハル。
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