恋をしている鬼は咲う

恋をしている鬼は咲う #1

そう言うと、鬼は歩いていった。

こんな場所があっただなんて知らなかった この場所はなぜか落ち着く。 なぜだろう あたたかい

鬼は何か、ﾎﾞｿﾎﾞｿと言った。 すると

鬼は僕の額に手を置いた。

ここに来るまでにあったことを 僕は無意識に思い出していた。

半年ほど前

そう、これは半年前 買い物に行った僕の母親が 馬車にはねられて死んでしまったんだ。

目の前には、母親の遺体がある。 まだ生きてるって 願いたくて、信じたくて でも現実は違くて 僕は思いっきり泣いた

そして少し前のこと

父親が最近外に出かけるようになった。 それも深夜に

そう言うと父は 玄関の扉を開けて 外に出ていった。

僕は気になって、 父の後をつけてみた

僕が見たのは、とんでもない光景だった。

父が、母の友人を殺していたのだ。 僕は唖然としてしまい その場に立ちすくしていた。

気がついた時には 僕は。

父さんを刺していた。

自分の手に血がつたってくるのを見て 「早く逃げなきゃ」 そう、本能が告げていた。

ふと現実に戻り、 鬼を見ると

泣いていた。

なんでお前が泣くんだよ、。 僕が1番泣きたいよ、

そう、鬼は涙を拭いながら言った。

そうだ、辛かったんだ。 大変だったんだ。 自覚をしていないだけで疲れが溜まっていたんだ。 ストレスも溜まっていたんだ。

思っていた以上に疲れていたようで、 僕はたくさん泣いた後、寝てしまった。