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メンバーたちは順々に仕事へと出かけていった。
高尾颯斗
桜木雅哉
草川直弥
大倉空人
山下永玖
上村謙信
沢村玲
そんな声が交差する玄関。
私はその後、そっと自分の部屋に戻った。
布団にくるまりながら、 天井をぼんやりと見つめる。 みんな優しい。 あたたかい。 嘘じゃないってわかる。
……なのに。 胸の奥がじくじくと痛む。
〇〇
ぽつりと漏れた声は、涙と一緒にこぼれた
誰にも見られていないはずの空間。 だから安心して泣けるはずなのに――
沢村玲
控えめなノックの音と優しい声が聞こえる。
沢村玲
私は迷った。 でも、言葉が出た。
〇〇
ドアが開く。 入ってきた玲の後ろには、 もうひとりの姿があった。
杢代和人
驚いて目を丸くする私を見て、 玲がすぐにフォローした。
沢村玲
その言葉に――胸の奥が、また締めつけられる。
私は、ゆっくりと息を吐いた。 そして、言葉を紡いだ。
〇〇
玲も和人も、静かに、 何も挟まず聞いてくれていた。
〇〇
震える声。 でも、それを吐き出せたことに、 少しだけ自分でも驚いた。
玲が、そっと隣に座って、柔らかい声で言う。
沢村玲
玲の言葉は、どこまでも静かで、 まっすぐだった。
その横で和人が、少し前かがみになって、 照れくさそうに笑いながら続けた。
杢代和人
〇〇
ぽろり、と涙が落ちた。
でも、もうさっきみたいに、 呼吸が苦しくなる涙じゃなかった。 静かで、ぬるくて、 でも、どこかあたたかい涙。
沢村玲
〇〇の肩にそっと手を置いて言った。
杢代和人
〇〇
初めて、自分の意思で言えた「うん」だった。
部屋に差し込む午後の光が、 ほんの少し、やさしく感じられた。
そして〇〇は思った。 “ここにいてもいいかもしれない”って。