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慎吾
果歩
慎吾
果歩
慎吾は、私の腕を掴んで廊下に出る。
果歩
亜矢
私の手にランチバッグを握らせると、 亜矢は笑顔で手を振った。
果歩
腕を離した、と思ったら …手をつなぐなーっ!そうじゃない!
あれ、ドキドキしてる?
果歩
慎吾
1番人気の定食ですね、ハイハイ
あきらめて、引っ張られた。
あ、これだな、この視線
亜矢の言ってた『女子に恨まれてる』 のカンジが伝わってきた。
そして、私の心臓は、 ずっと ドキドキしてた。
慎吾に500円玉を渡して、空席を探して、お弁当の包みを開いて待つ。 …なんか彼女っぽい。
慎吾
慎吾が前にトレーを置いて座った。
果歩
慎吾
果歩
慎吾
果歩
慎吾
果歩
慎吾
果歩
慎吾
果歩
慎吾
そうなんだけど…
慎吾は、ストレートに、いつも正しい。
果歩
慎吾
果歩
慎吾
それはもっとマズイ気がする
果歩
慎吾
果歩
慎吾のストレートなもの言いは、 最近、私の心臓を直撃する。
慎吾
そうなのか?いや違う
慎吾
果歩
慎吾
果歩
慎吾
仕方なく、サイフから200円渡した。
慎吾
果歩
慎吾
果歩
慎吾
慎吾は、 きなこパンを半分に割りはじめた。
自分が食べたいんじゃん?… 相変わらずだなー…楽しい…
モブ
気付いたら、慎吾の後ろに女の子。
慎吾
モブ
こ、これは、ヤバいやつ
慎吾
モブ
と、わたしを見る目は結構キツめだ。 私はそーっと弁当箱を片付けはじめた。
慎吾
モブ
ほーら、来た!
慎吾
果歩
慌てて弁当箱を掴み、きなこパンをもったまま席を立つ。
果歩
と、不自然な他人行儀でその場を去った。
どーすんだろ、慎吾…
きなこパンを持ったまま食堂を出ると、 自販機で瑞樹がコーヒーを買っていた。
果歩
瑞樹は黙ってもう一度ボタンを押した。
瑞樹
弁当箱ときなこパンで、 両手がふさがっている私。
自販機の前の花壇の縁に座る。 弁当箱を横に置いて、 瑞樹からカップを受け取った。
果歩
瑞樹
果歩
瑞樹
果歩
今のことを話す。
瑞樹
果歩
瑞樹
果歩
瑞樹
果歩
少し離れた所から、視線を感じた。
果歩
瑞樹もそっちを見て…軽く会釈した。
果歩
瑞樹
間が悪いなー。私
瑞樹
と言って、瑞樹の指が 私の口角あたりを拭った。
果歩
慌てて自分の手で口の周りをはたいた。
今まで、なんでもなかったのにな…こーゆーのも
誰かに見られてないかと、 ハラハラしたり。
さっきの女子が、食堂から出てきた。
瑞樹と並んで座っている私を、呆れたように睨むと、走って通り過ぎた。
…慎吾も、食堂から出てきた。
慎吾
瑞樹と2人で 同時にボディーブロー入れた。
慎吾
果歩
慎吾
瑞樹
慎吾
…間違いでもないが…
…誤解を招きそう。
慎吾
瑞樹
慎吾
うわ、心臓!不謹慎だぞ。このドキドキは
慎吾は、 難しいコトをシンプルに答えるのが スゴイとこ。
瑞樹
慎吾
瑞樹
慎吾
瑞樹
慎吾
瑞樹
果歩
瑞樹が冷た〜い目で私を睨む。
わ、余計なこと言っちゃった、コワ!
瑞樹
慎吾
《ダンッ!》
瑞樹が慎吾の足を踏む。
慎吾
瑞樹
慎吾
瑞樹と2人で、小さくタメイキをついて、慎吾に100円玉を渡した。
慎吾
慎吾は自販機に向かった。
瑞樹
瑞樹がつぶやく。
……
果歩
空になったカフェオレのカップを手に取り ゴミ箱に落として1人で教室に戻った。
瑞樹
慎吾
瑞樹
慎吾
瑞樹
果歩
亜矢に聞いてもらう。
亜矢
果歩
亜矢
果歩
亜矢
果歩
あ、でも、昼の食堂、楽しかった
慎吾と2人が楽しかった? 瑞樹と2人だったら?
ますます、混乱する。
亜矢
果歩
亜矢
果歩
そうだ、2人が私から離れることだって、 あるかもしれない。
初めてそんなこと考えて、 すごく怖くなった。
亜矢
亜矢
果歩
亜矢
果歩
亜矢
いつまで、幼なじみでいられるんだろ。
壊れちゃうのかな、もうすぐ。
考えれば考えるほど 苦しくて 悲しくなった。
中学生までは、みんな、 昔から私たちのコトを知ってるので、 告白騒ぎなんかも、当事者同士の問題だった。 そう、 誰も私を女子として、 カウントしないでいてくれた。 高校生になって、 昔からの知り合いはほとんどいなくなって… そして、周りから見れば私は、 イケメン2人を独り占めしてる、 冴えない女子だ。 その事を今日、思い知らされた。 幼なじみの距離を、微妙に計りながら でも、あまり変わることなく 毎日が過ぎている、と、思ってた。
あんなこと (慎吾の告白騒ぎに巻き込まれる) があっても、 何をどうしたらいいのかわからずに、 朝の登校も相変わらず一緒だった。
校門前あたりから、 それぞれの友達と混ざることが多い。
《ドンッ!》
いきなり、前の慎吾が立ち止まったので
果歩
と、私は後ろにヨロけた。
《ガシッ》
後ろから両肩を掴まれて、止まった。
振り向くと、キレイな男の子。
あ、また…山田 圭
果歩
慎吾
振り向いた慎吾が、私の両腕を引っ張る。 強すぎて、慎吾の胸に飛び込む格好。
わっ!心臓がっ
軽く慎吾の胸を押して、 なんとか少し離れた。
果歩
後ろに向かって言った。
圭
何か、心を見透かされてるような、 言葉の響きだと思った。
慎吾
また、慎吾が左腕を引っ張った。
もうしないって言ったのに、 こんなに、みんなが見てるのに。
途中、また、手のひらにつなぎ直して、 ワザとみたいに私を引っ張って歩いた。
私の中で何かが溢れているように、 慎吾の中でも 何かが止まらなくなってるような… そんな気がした。
瑞樹
昼休みに、不穏な呼び声が廊下から。
クラスの視線が集まる中、 シレッと瑞樹が言った。
瑞樹
あ、図書委員の瑞樹のお手伝いが。 前に約束して(させられて)いたね。
果歩
と、わざと大きめの声で答える。
瑞樹
最近、普通のことなのに、 周りの視線が気になって疲れる。
もう、こーゆーのも、やめた方がいいのだろうか…
慎吾
と、慎吾が立ち上がる。
瑞樹
出た。黒い王子。
慎吾
そうだよ。多い方がいーじゃん
廊下に出ると、 『私たちも手伝います。瑞樹さま』 的な目をした女子が何人かいたけど、 瑞樹は全然、眼中にない様子。
マズイなー。慎吾来てよね?
振り返っても、慎吾は出てこない。 仕方なく瑞樹と図書室に向かう。
果歩
瑞樹
果歩
瑞樹
果歩
瑞樹
そーゆーことね
黒王子の自覚はあるらしい。
瑞樹
果歩
黙って作業する。
昼休みの図書室なんて、 食後の仮眠をとる生徒が少し居るくらいで、静かだ。
果歩
瑞樹
果歩
瑞樹
果歩
瑞樹
果歩
瑞樹
果歩
瑞樹
果歩
《ドン》
あれ? 壁ドン?まさか!
果歩
目を見ないで、聞いた。
瑞樹
果歩
瑞樹
なんかコワイ…見てたんだ、瑞樹。
果歩
瑞樹
果歩
瑞樹
果歩
瑞樹
だんだん、息苦しくなってきた。 瑞樹、近いしコワイ。
怒らせたの?なんで?
ちょっと泣きそうになる… 困ってきた。
《ドス》
瑞樹
瑞樹の背後に見えたのは、 見たことない、コワイ顔した慎吾だった。
慎吾
スグにいつものフザけた顔に戻った。
瑞樹
慎吾
瑞樹は壁から離れると、 ブレザーを脱いだ。
あーあ、28.5㎝の慎吾の上履き跡が。
慎吾
慎吾が勝ち誇ったようなドヤ顔で言う。
瑞樹
瑞樹も、ナゼか不敵な微笑み。
仲間ハズレにされてるような、 でも、2人は楽しそう?な…
それから、3人で、 1区画の書架を片付け終わった。
帰りは、ナゼか瑞樹と慎吾で、 私にダブルアイスをおごってくれた。
中身は、言わなかったのに チョコミントとストロベリーだった。