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好きって言って

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好きって言って

1 - 好きって言って《青黄》

♥

722

2020年10月12日

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ころ💙

るぅちゃーん。

返事は返ってこない。

僕はるぅ💛くんの近くに行った。

ころ💙

トントン

るぅ💛

ビクッ

肩を叩くと、少し驚いたみたいだけど、こっちを見てくれた。

ころ💙

きょうもがっこういかないの?

僕はゆっくり口を動かした。

少ししてから「はい」と返ってきた。

ころ💙

『そっか。大丈夫だよ。』

手を動かしながら、僕はそう言った。

そうすると、彼も手を動かした。

『ありがとうございます』

彼は、耳が聞こえない。

生まれつきって訳ではなくて、事故で聞こえなくなっしまった。

そのことを知っていて、僕は彼と付き合うことにした。

最近は手話も覚えたし、大体はちゃんと会話できる。

ゆっくりなら、口の形を見て分かるから、たまにゆっくり喋って聞かせる。

ころ💙

『じゃあ、行ってくるね。』

喋りながら、手話を使って、彼に話しかける。

るぅ💛

『やっぱり僕も行きたいです』

声は聞こえてこないけど、僕にはしっかり伝わった。

ころ💙

『大丈夫?』

るぅ💛

『ちょっと待っててください』

彼は、馬鹿にされたりするのが怖くて、 耳が聞こえなくなってから学校に行っていなかった。

そんな彼が半年ぶりに、行くと言い出したのだ。

ころ💙

『行こっか』

るぅ💛

『はい』

手話で会話をしているから、細かい感情は伝わってこない。

ただ、彼は少し怖がっているような気がした。

ころ💙

『大丈夫だよ。』

るぅ💛

『ありがとうございます』

そう言って、僕たちは家を出た。

ずっと不登校だった彼は、先生に来たことを知らせなくては行けなかった。

僕は、一緒に職員室に来た。

でも、僕は呼ばれてないから、隠れて見つめることしかできなかった。

るぅ💛

……………

聞こえも喋れもしない彼は、困った表情で先生を見つめていた。

何も知らない先生は、るぅ💛くんに喋りかけた。

先生

なんで休んでたのか、教えてもらえる?

るぅ💛

………

彼は、普通に喋る先生を見て、今にも泣き出しそうだった。

先生

黄坂?

先生は彼の名字を呼ぶ。でも、彼には聞こえていない。

先生

無視しないでくれ。どうしたんだ?

事故にあったのは、学年が上がってすぐの春のことだった。 突然学校に来なくなったのに、学校から連絡すら来なかった。 彼には親が居ないから、事故にあった事は僕しか知らなかった。

るぅ💛

………ッ

僕は出て行って先生に言いたかったけれど、 入ってくるなと言われてしまった。

るぅ💛

………うぁ

るぅ💛

………あ…んぇ

るぅ💛

ぁ……ぉ…んぃ…

ころ💙

ッ……

彼は、自分の言っていることが聞こえないから、しっかり喋れない。

バンッと先生が机を叩いた。

先生

………黄坂。ふざけないでくれ

音は聞こえなくても、先生がすごく怒っているのは分かる。

るぅ💛

ビクッ…ポロポロ

彼は、ついに泣き出してしまった。

僕も、もう耐えられなかった。

ころ💙

ギュッ…るぅちゃん。

ころ💙

大丈夫だよ。

僕は、るぅ💛くんに駆け寄って、頭を撫でる。

君には聞こえていないけど、「大丈夫」などの、声をかける。

ころ💙

………先生。

先生

来るなって言っただろ。

ころ💙

彼は耳が聞こえません。

先生

……ッは?

ムカついた僕は、ストレートに言ってやった。

何も知らないくせに。いきなり怒りやがって。

先生

何を言っているんだ…

先生は、衝撃的な一言に、驚きを隠せていなかった。

ころ💙

嘘だとでも、思うんですか?

先生

………

ころ💙

トントン

僕は優しく彼の肩を叩いた。

ころ💙

『どうして休んでたのか、教えてほしいって』

るぅ💛

………グスッ

るぅ💛

『ころちゃんが説明して下さい』

ころ💙

………ッ

ころ💙

『じゃあ僕がるぅ💛くんの言った事を先生に説明するから』

ころ💙

『なんて言うかはるぅちゃんが考えて教えて?』

僕は、声に出しながらゆっくりと手話をする。

先生は、漠然と僕達を見ていた。

るぅ💛

………

るぅ💛

『______』

るぅ💛くんは、先生の方を向いて、ゆっくりと手を動かした。

先生に少しでも伝わりやすいように、口も動かして伝える。

声は聞こえないけれど、口の形で分かりやすくなる。

ころ💙

…僕は、春に事故にあいました。

るぅ💛

『_______』

ころ💙

その事故のせいで、耳が聴こえなくなりました。

ころ💙

なので、自分の声が聞こえず、喋ることも出来ません。

ころ💙

最初の1ヶ月は、治療で休んでいましたが、

ころ💙

それから、学校に行くのが、怖くなりました。

ころ💙

僕には、何も聞こえないけど、

ころ💙

悪口を言われるのが怖くて…

ころ💙

………ッ

ころ💙

いつも一緒にいてくれる、

ころ💙

ころちゃんが馬鹿にされるんじゃないかって怖かったんです…

るぅ💛

………ッ

ころ💙

………だそうです。先生。

先生

そっか…分かった。

先生

えっと…じゃあ…

先生

教室に…行って良いぞ…

先生は、すごく動揺していた。

自分の生徒を傷つけてしまった事。

気づいてあげられなかった事。

反省しているようだった。

僕たちは、廊下に出て、教室に向かった。

るぅ💛

『ありがとうございます』

ころ💙

『全然大丈夫だよ』

廊下にはたくさんの人がいて、るぅ💛くんはすごく怖がっているようだった。

僕たちが通ると、周りが騒がしくなった。

モブちゃん

ねぇ、あれって噂の黄坂くんじゃない?

モブちゃん❷

本当だね

モブちゃん

耳が聴こえないんでしょ?手話とかで話さないといけないんだって。

モブちゃん❷

めんどくさー。障害者なんだから、特別な学校にでも行けばいいのに。

1番の悪口。

“障害者”

それは、とても人を差別する言葉だった。

彼は、自分からなりたくて聴こえなくなった訳じゃない。

るぅ💛

『周りの人たち、なんで言ってるんですか?』

ころ💙

『なんでもないよ。行こう。』

ガラガラガラ

僕はゆっくり後ろのドアを開けた。

モブくん

うわぁ!あいつ、黄坂じゃん!

モブくん❷

半年ぶり?だよな!

それでもやっぱり気付かれてしまって、 クラスはるぅ💛くんの話題でいっぱいになる。

るぅ💛

…………

ころ💙

『大丈夫だよ』

僕は、戸惑うるぅ💛くんを落ち着かせた。

差別する人がいても、僕が守るからね。

紗奈太

ふっ。障害者の彼氏さん。

陽太

手話なんか覚えちゃって〜

でも、標的にされたのは、るぅ💛くんじゃなく、僕の方だった。

“障害者の彼氏”

僕は、そう呼ばれた。

僕は、気にしていなかった。

僕は、るぅ💛くんの事が好きだから。

好きな事には変わりないから、何を言われても知らん振りだった。

だけど、そんな僕に1つだけ、心に残る出来事があった。

ある日のことだった。

るぅ💛くんは、体調が悪く、学校を休んでいた。

そろそろ学芸会があって、その練習をしている時だった。

生まれつき覚えるのが苦手で、すぐになんでもわ忘れてしまう子がいた。

その子に、紗奈太が怒った時だった。

紗奈太

なんですぐに忘れるんだよ。

紗奈太

こんなに短い文章だぞ?

紗奈太

これくらいも覚えられないなんて

紗奈太

出来ないなら来るな

紗奈太

“障害者“

僕は、最後の一言で、カチンと来た。

しょうがないことなのに、紗奈太はいきなり怒鳴りつけた。

ころ💙

おい。それはないだろ。

紗奈太

は?なんだよ。障害者の彼氏。

ころ💙

障害者って言うのやめてもらえる?

紗奈太

は?なんでだよ。事実だろ?

ころ💙

彼は障害者じゃないよ。忘れっぽいだけだよ。

紗奈太

こんな短い文も覚えられねーじゃん。

ころ💙

しょうがないだろ。

紗奈太

は?なんだよお前!

それから僕たちは、取っ組み合いの喧嘩になった。

僕が、紗奈太に馬乗りして、殴りかかろうと、拳を上げた時だった。

紗奈太

なんだよ。偉そうに。障害者の何が分かるんだよ!
障害者の彼氏なだけだろ?なんならお前、彼氏のくせに、
彼女に名前も呼ばれた事なくて、好きって言われた事ないだろ!

ころ💙

………

こ ろ ちゃん

いつも手で呼んでくれていた。

いつも、手話で好きと伝えていてくれてた。

口で伝えられた事は、一度もない。

僕は、何も分からなくなって、教室を飛び出した。

今まで、考えた事がなかった。

僕にとってはあれで良かった。

なのに…

彼女ちゃん

ねぇ、勇人くん

彼氏くん

なぁに?

彼女ちゃん

だーいすきだよ!

彼氏くん

ふふっ。俺も♡

ころ💙

ッ………

僕は、耳を塞いで家に走った。

僕は…僕は………

ガチャンッと激しくドアを開けても、彼は僕が帰ってきた事に気付かない。

彼の部屋の前に立って、ドンドンと足を鳴らす。

すると、床から伝わる振動で、ようやく僕がいる事に気付く。

僕の方を見ると、もの凄く驚いていた。

僕は目を真っ赤にして涙を溢していたからだ。

僕は必死になって手を動かした。

ころ💙

『るぅ💛くんは 本当に 僕の事 好きなの? 彼女なら 好きって 言ってよ 僕の名前を呼んで 呼んでよ ねぇ お願い 1度で良いから 大好きって言ってよ お願いだから ねぇ お願い』

僕の目からは、たくさんの涙が溢れていた。

るぅ💛くんは、少ししてから、手を動かした。

るぅ💛

『ごめんなさい 名前を 呼んで あげられなくて ごめんなさい 大好きです 伝えられなくて ごめんなさい ごめんなさい 僕は ころちゃん に 会う前は 喋る事が 出来ました。 何度 もう少し 早く会えていたら と 思った事か 何度 ころちゃんの 僕のことを呼ぶ 声が 聞きたい と 思ったか 僕も ころちゃんに 名前を 呼んで 欲しかった 1度でいいから 聞きたかった』

るぅ💛

こぉちゃぁ

るぅ💛

ぁいすきぇすぉ

彼の瞳からは、涙が溢れていた。

未来

今日、道徳で

未来

半泣きになったお話があって

未来

書きたいと思ったので書いてみました

未来

………

未来

と言う事で

未来

ありがとうございました

この作品はいかがでしたか?

722

コメント

62

ユーザー

ビッショビッショになるまで泣いちゃいました どうしてくれるんですか(´இωஇ`) ブクマ失礼します(*・ω・)*_ _))ペコリン

ユーザー

続きが投稿されてたから見返した!やっぱり昔から最高だよ!ブクマ失礼します!

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