気がつくと
目の前には黒髪が似合う少女がいた
朱鳥
仁さん
朱鳥
今夜はよく眠れそうですか?
春仁
あれ?
春仁
ここは?
朱鳥
寝ぼけてるんですね
朱鳥
ここは仁さんの家ではありませんか
仁…俺は春仁なんだが
それにここは俺の家なんかじゃない
でも…
なんだか懐かしい気がする
朱鳥
まぁいいですよ
朱鳥
仁さん
朱鳥
好きです
春仁
えっ
朱鳥
今まで気が付かなかったんですか?
春仁
ごめん
朱鳥
鈍い人
朱鳥
そういうところも好きですけど
これは俺の知らない記憶…
あぁそうか
これは前世の記憶なんだ
朱鳥
返事はいつでもいいですよ
春仁
朱鳥も鈍いな
朱鳥
えっ?
春仁
俺も好きだよ
朱鳥
本当にですか…
春仁
あぁ
朱鳥
仁さんありがとうございます
それから二人は結婚した
幸せな毎日だった
しかし運命は時に残酷だ
男
お主が仁か
俺はこいつに…
春仁
そうだ
男
この怨み返してやる
ザクッ
春仁
うぅ
男
俺はお前のせいで俺は家族を失った
男
もっともっと苦しめ
ザクッ
春仁
うっ
ザクッ
春仁
やめてくれ…
ブスッ
これで俺は…
まだ逝きたくなかった
朱鳥ごめん…
春仁
った
春仁
春仁
ここは
看護師
気がつきましたか?
看護師
ここは病院です
そっか
俺は飛び降りたんだ
この世の中に嫌みがさして
俺はもう一度の人生を無駄にするところだった
前世の俺はまだ逝きたくなかったはずなのに
夢だったのかもしれないがあんなにリアルなものはないだろう
前世の俺の分までしっかりと生きないとな…







