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遅くなってすみません
ちょっと予定が立て込んでまして
もうそろこの話もおしまいですね
あまり♡が貰えなかったのは残念ですが
もう少しなのでお付き合いください
6人が羽が生えたその日の夜
うとうととしていたらカタンと物音がして目が覚めた
tg
kty
tg
tg
kty
kty
tg
kty
kty
tg
kty
ゆっくり頭を撫でられて
寝たくないのに瞼が段々と重くなる
ktyのトラウマは『寝ること』だ
だからこうして出来る限り寝ないようにしているんだ
シニガミだって一応生き物
寝ないと疲れは増してしまう
ktyの方が辛いはずなのに
いつもこうして俺の心配ばかりする
kty
今も昔もどこまでも優しいktyの笑顔を見ながら静かに瞼を閉じた
tg
kty
tg
俺の子供の頃の部屋に来るなりktyはそういった
kty
そう言ってktyは照れ笑いをした
そのひさしぶり、の意味はどういう事なのか聞こうと思ったら
kty
と聞かれてしまったので
tg
聞けなかった
kty
tg
kty
kty性格上、嘘は言ってないと思うけど
本心かどうかもわからないな
tg
kty
そう言って俺が机の引き出しから出したのは
昔ktyから貰った手術成功を報告した手紙
kty
tg
kty
kty
そう、それは当時の俺も思った
お世辞でも綺麗とは言えない字で
手紙にはでっかく『せいこう』と鉛筆で書かれていて
tg
kty
tg
小さい頃から文章や漫画が好きで字には慣れ親しんでいた
ある時見たktyのノートに書いてあった字は流れるように綺麗だったことをよく覚えている
tg
何かのきっかけにならないかと思い
その手紙をktyに渡すと受け取り、指で字をなぞった
kty
kty
tg
kty
左手で書いた…………何で?
もしかしたらこれださらっと言っているから
本人には思い出したと言う感覚がないのかもしれない
ここで追及しても良くない気がする
tg
kty
あっけらかんと答えるktyが微笑ましいと思いながらも
俺は返してもらった手紙と大事な物を持って
tg
kty
tg
kty
tg
俺はktyと手を繋ぎ前を向いた
行く前から嫌な予感がしてたけど
遠くから目的地に近づくと俺の動悸は早くなって行った
緊張ではないこのドキドキは
tg
行きたい気持ちはあるのに
どんどんスピードを落としていく俺の様子がおかしいと
流石のktyでも気付いたようだ
kty
tg
kty
tg
はぁっと深呼吸して気持ちを落ち着かせる
現世では行けなかったここにどうしても行きたいのに
訳のわからない恐怖に襲われ足が竦む自分に困惑する
ここはktyが書いてくれた便箋に記されていた病院
廃業になってしまったので現世では行けなかった所
tg
tg
ポッケにしまった手紙と大事なものをぎゅっと握り正常を取り戻そうとすると
kty
kty
tg
急に男らしい顔をしたktyはひょいっと俺を姫抱きした
tg
kty
tg
kty
tg
kty
kty
tg
kty
kty
kty
kty
kty
kty
tg
kty
kty
kty
tg
握りしめた物のおかげで不思議と少し楽になってたのは事実
だけどそれ以上に気持ちが跳ねてしまったのは
いつもポンコツなのにいざって言う時男らしくなる
この人の優しさに触れてしまったから
tg
そう思いながらも彼の胸に顔を埋めると
彼は病院の中へと入っていった
kty
『着いた』という言葉に少し疑問を持ちながらも
ゆっくり目を開くとそこはとある病室だった
tg
kty
よく見ればここには沢山の管と普通の病室では無さそうな過剰なベッドがある
それを目の当たりにした瞬間『トラウマ』とは違う何かが背筋をぞくりとさせた
tg
kty
強い眼差しと共に頷く俺に
ktyは少し心配そうな顔をしながらも降ろしてくれた
tg
『?』を頭に浮かべたような顔をするktyを残し
俺は走って病室を出て階段へ向かった
そこに書かれていたのは階名と
ここの病棟名
tg
その文字を見て俺は訳が分からなくなり
俺は涙を堪えながらktyの元へ走っていった
kty
kty
優しく気遣うktyの言葉を無視するかのように
俺はktyにしがみつき泣き崩れた
tg
tg
するとktyは俺を安心させるかのように
ゆっくり優しく包み込んでくれた
kty
kty
tg
tg
tg
tg
kty
泣いて問い詰める俺に同様する様子もなく
ktyは穏やかな声で俺を呼んだ
kty
kty
tg
kty
kty
kty
kty
kty
ふとktyを見ると
事実を受け止めるのが怖いのか
表情は固く少し震えていた
その手をぎゅっと握ると
不思議と俺の『トラウマ』も少し落ち着き
一瞬目を丸くしたその顔はにこりと微笑んだ
tg
tg
kty
tg
差し出したブタのマスコットが付いたピンクのヘアゴムに
ktyは涙を浮かべるも不思議そうな顔をした
kty
kty
tg
tg
tg
kty
受け取ったktyを確認してベッドに触れる
するとまるで映画の回想シーンの様に
周りはぱぁっと明るくなった
そしてベッドには横になるktyの姿が薄ら見えた
『kty』
ベッドの横でそう話しかけるのは
ktyのお母さんだった
でもその言葉にktyは何も反応していなかった
それが当たり前かのようにお母さんは話を続けた
『あなたももう16歳になるのね』
『高校はどんなとこ行ったのかしら』
『あなたの事だからtg君と同じとこ行くって聞かないんでしょうね』
『tg君に、会いたい?』
『手術成功した時真っ先にtg君に会いたいって言ってたもんね』
『でもあなたの事だからこんな姿じゃ嫌だって言いそうよね』
そう言ったお母さんは静かに涙を流した
『tg君が来たら、目覚ましてくれるかしら』
すると寝ているktyの目から1粒の涙が零れた
それを見たお母さんはゆっくり頷き微笑んで言った
『行ってらっしゃい』
気が付くとベッドにうっつぷしていた
はっと身体を起こすと両目からぼろぼろと涙が零れている事に気付く
tg
見ればktyは俯いて呟いた
kty
kty
tg
kty
kty
kty
珍しく取り乱すktyに驚きを隠せないものの
俺は大事なものを持っているその手をゆっくり握った
tg
kty
kty
kty
tg
kty
kty
kty
tg
kty
kty
tg
kty
kty
kty
tg
kty
kty
kty
kty
kty
kty
kty
tg
kty
kty
kty
kty
涙に濡れるktyの背中には
ピンクと青のグラデーションの羽が
光輝きながら生まれた
俺の背中にも生えたのだろう
ktyは『綺麗だよ』って言いながら
俺を抱きしめてくれた
tg
kty
kty
そう言ってktyが差し出したのは
あの日ktyがくれた、俺の『宝物』
kty
tg
kty
kty
tg
tg
kty
tg
tg
kty
『これからはずっと一緒だよ』
どちらともなく出た言葉を胸に
俺達は自分の居場所へ帰還した