私は急いで病院を出た。
陽菜 (はるな)
逃げろって言っても…どこに逃げれば。
私はとにかく走った。
その時だった。
光輝 (こうき)
陽菜
陽菜 (はるな)
光輝?!
光輝 (こうき)
走って。耳だけ貸して。
陽菜 (はるな)
あ、うん。
私は走り続けた。
光輝 (こうき)
〇〇〇株式会社に行って。
陽菜 (はるな)
そこって、あの男の人の会社…
光輝 (こうき)
そこに大事な書類があるんだ。
陽菜 (はるな)
わかった。
私は〇〇〇株式会社に向かった。
光輝 (こうき)
そこを左に曲がって。
陽菜 (はるな)
うん…
光輝 (こうき)
ここだ。
陽菜 (はるな)
ここ…
光輝 (こうき)
〇〇号室に入って。
陽菜 (はるな)
うん。
光輝 (こうき)
そこの棚。
陽菜 (はるな)
これ…?
光輝 (こうき)
そう。この封筒を開けて
陽菜 (はるな)
うん…
私は封筒を開けた。
陽菜 (はるな)
これって…
光輝 (こうき)
あぁ。もう陽菜の両親は亡くなったんだ。
陽菜 (はるな)
死亡理由は…自殺
光輝 (こうき)
そう。陽菜の両親は殺す気なんて無かったんだ。
陽菜 (はるな)
どういうこと?
光輝 (こうき)
陽菜の両親も脅されてたんだ。
陽菜 (はるな)
誰に…?
光輝 (こうき)
〇〇〇株式会社の社長さんだ。
陽菜 (はるな)
そんな…どうして!
光輝 (こうき)
借金が多くて払えない時に社長さんは脅してきた。
陽菜 (はるな)
……
光輝 (こうき)
今月中に借金を返さないと殺すぞって。
陽菜 (はるな)
殺すって…酷い。
光輝 (こうき)
あぁ。元々は陽菜家は金持ちだったんだ。けど…
光輝 (こうき)
その社長さんが罠をかけて両親はその罠に引っ掛かっちまった。
陽菜 (はるな)
罠…?
光輝 (こうき)
詳しいことは良く知らないけど…
陽菜 (はるな)
そんなことが…
光輝 (こうき)
この書類をあの男に渡せ。
陽菜 (はるな)
わかった…
私はあの男の元へ向かった。