元ヤンキー、陰キャになる

ﾀｯ

人と話すのは怖くて、近付きたくないぐらい。

ヤンキーになる、そう言ったけど難しかった。

人は怖いし、触られるのが嫌だし。

また殴られるんじゃないか。

また、いたい思いしなきゃいけないって怖かった。

ケーちゃんは小学生なのに身長が高くて。

大人びてて、カッコよかった。

ケーちゃんに助けて貰ったら勇気が出たのか。

もうくるしまなくていいんだって思ったら、咄嗟に声が出てた。

ｷﾞｭｯ

ケーちゃんに抱きしめてもらった。

嫌なはずなのに、俺は離れようとしなかった。

暖かくて、我慢してたものが込み上げてきた。

ケーちゃんは思ってたよりもかっこいいんだ。

打ち解けて、ケーちゃん呼びし始めて、ケーちゃんと過ごし始めた。

休みの日はケーちゃんの家に遊びに行ったり、外で一緒に遊んだり、お菓子作りにお勉強、ケーちゃんの家族と俺の家族で旅行に行ったり。

そんぐらい仲良くなった。

小学卒業した後、ケーちゃんにそう伝えた。

ケーちゃんはめっちゃ驚いてた。

ケーちゃんとヤンキーを始めて、楽しかった。

沢山の悪いヤツを倒したり、人を助けたり。

でもやっぱりヤンキーはウザがられるけど、優しい人も沢山いる。

ﾊﾟﾁﾝｯ

ﾊﾟﾁﾝｯ

ﾊﾟﾁｯ

ケーちゃんに貰ったヘアピンも、ピアスも大切なもので。

大事なもので。

ずっとお守りにしてる。

ケーちゃんが副総長を辞めたのは俺のせい。

あんなことがあったから、ケーちゃんは辞めたんだ。

俺のせい。