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梅雨明けの蒸し暑い今日。
帰りのホームルームが終わり、生徒がぞろぞろと教室から出ていく。
教室のベランダで植物に水をやっていると────
哲汰
哲汰
美涼
ジョウロの水を空にした後、鞄を手にして教室を後にした。
ジリジリと照りつける太陽が鬱陶しい
そう思いながら帰路に着く。
哲汰
哲汰
美涼
美涼
哲汰
哲汰
哲汰
美涼
美涼
哲汰
金魚
俺ん家で飼っている生き物のこと。
幼い頃、哲汰と夏祭りの屋台で遊んでいた時、
金魚すくいで取った、4匹の金魚のことだ。
哲汰
哲汰
美涼
哲汰
他愛のない、くだらない、いつも通りの会話を交わしている
そして分かれ道になり、挨拶を告げてお互い家に向かった。
がちゃり。
美涼
母
美涼
洗面所に向かって手を洗い、
金魚の餌をやりに行こうと自分の部屋へ向かう。
ぎ、ぎ、ぎ、ぎ
階段の軋む音が廊下に響く。
ドアノブに手をかけ、回した。
部屋に飾ってある水の張った金魚鉢。
中には4匹の金魚。
泡が不規則に舞い上がっていき、
日の光で揺らぐ水面に反射した光が天井を照らしている。
美涼