羽で撫でるような軽く、優しいキスをされた。
明
…え
戸惑い呆然とする明に、晶はやってしまったとでも言いたげな目で、気まずそうにこちらを見ている。
晶
また明日な
明
あ、晶…
現実を未だ飲み込めずにいる明を尻目に、
晶は風のように去っていった。
晶が近づいてくる。
明
晶!お前、さっきのは…
指で口を塞がれる。
明
晶、お前な…
いいかけた口を、今度は晶の口で塞いだ。
熱く柔らかいものを口の中で感じる。
明
んんーっ…
こいつ、舌入れてきやがった。
後ずさる明は腰を捕らえられ、身動き出来ない。
明
ん!んーっ…んぅう…!
舌入れられただけで、自分がこんなに反応するとは思わなかった。
まずい、このままじゃ…
このままじゃ、こいつに落とされる。
目覚ましが鳴った。
明
ゆ、夢か…
こんなに心臓がうるさいのは、小学校の頃の学芸会以来だ。
荒く息をしながら、もそもそと下半身を確認する。
明
良かった…
下着が汚れていないことを確認して、明は着替えを始めた。
そうしているうちにも溜息が漏れる。
母
あーきーらー!起きなさいよー!
明
起きてるよ!
母
今日も晶くん来るんでしょ?さっさと準備しなさいよ!
ぶつぶつと何か言いながら遠ざかる足音が聞こえた。
明はもう一度溜息をついた。
晶のあのキスから、1週間が経とうとしている。
明はあの後、晶と気まずくなるのではないかと思ったのだが、
晶の態度は前と全く変わらず、
対して明は晶を意識するようになり、
明はやきもきしている。
明
なんなんだあいつ…
明
くそっ、今日の夢は最悪だった…
夢で感じた晶の舌の熱さが蘇ってきた。
顔が熱くなる。
明
でぃーぷきすってあんな感じ…なのか…
明
参考になった…か?
気を紛らわすために呟いた言葉で、また晶のことを考えてしまう。
明
あぁ、くそ…
明
あいつ、俺の事好き…なのか?